フィリップス・ジャパン/Better care for more people ~より良いケアをより多くの人へ~

フィリップス・ジャパン/Better care for more people ~より良いケアをより多くの人へ~

https://www.philips.co.jp/healthcare

ヘルスケア分野の変革に取り組む先進ヘルステックカンパニーのフィリップス・ジャパンは、「Better care for more people ~より良いケアをより多くの人へ~」をテーマに据え、放射線領域においてすべてのデータを連携させることで診療から治療をシームレスにつなげる包括的なソリューションを、ITEM2025で披露する。ブースの展開としては、CTエリア、MRエリア、Image Guided Therapyエリア、画像診断ワークステーションエリア、超音波診断装置エリアなどで構成した。

●【新製品】次世代ヘリウムフリーMRI「BlueSeal」
 展示物の最大のトピックは、本年4月11日に販売を開始したばかりの次世代ヘリウムフリーMRI「BlueSeal」の日本初披露だ。
「BlueSeal」はわずか7リットルのヘリウムで安定した超電導状態を維持する「BlueSealマグネット」を搭載した、70cmワイドボアの1.5T MRIシステム。従来は継続的に必要とされていたヘリウムの補充を不要とすることで、自然災害やその他の緊急事態においても迅速な復旧を可能とすることで、より持続可能なMRI運用を実現する。また、新たに搭載した「PowerSave+」機能により、ヘリウムや電力に関する医療機関のコスト・時間負担を軽減し、持続可能な運用を支援。さらに、クエンチ外部配管を必要としない構造によって災害時のリスクを抑え、仮に交通インフラ障害により冷媒供給が途絶してもマグネット内に密閉されたヘリウムを再冷却することで迅速な復旧を可能とする。70cmのワイドボア設計により、快適性と広範な検査対応力を高次元で両立させたことも訴求点である。
 AI技術を活用した「SmartSpeed Precise」および「Smart Reading」の実装が可能な点も見逃せない。「SmartSpeed Precise」はDual AIで高速化や高画質化の全てを実現する“All-in-One”のAIイメージングで、高倍速を可能にしたC-SENSEのサンプリング技術、高速化を学習したSmartSpeed AIエンジンに、さらに高画質化を学習した新しいAIエンジンを最適化して1つの再構成パイプラインに統合。従来のパラレルイメージングと比べて撮像時間の67%短縮と、80%の高精細化を実現している。一方、クラウド型のAI読影支援ソフトウェアにゼロクリックでアクセスできる新しいプラットフォームの「Smart Reading」は、MR操作コンソール上でAI読影支援ソフトウェアと連携できることで、撮像前にプロトコルを自動チェックし、撮像条件の変更による定量情報への影響を回避するとともに、常に最新の診療ガイドラインに準拠した撮像が可能。撮像後は連携したAI読影支援ソフトウェアへ撮像データの送信を行い、解析された結果がPACSや操作コンソールに送られ、これによりレポートの標準化と診断精度の均一化をサポートする。
 AIが500項目以上のMRIシステムパラメータをリモートで常時モニタリングし、故障の兆候を事前に検知して対応する「AI-based predictive maintenance」をリーディングすることも特徴。世界139カ国・2万5000以上の医療施設とのリモート接続実績があり、約30%以上のトラブルを未然に防いだ実績を有している。また、このAIモニタリング機能を利用した「Easy Switch Solution」も搭載。吸着事故などで磁場を一時的に停止する必要がある際も、医療スタッフが自ら消磁・再励磁を行うことで、迅速なシステム復旧を可能としている。
 MRのエリアではほかにも、昨年に登場した「Smart Fitコイル」シリーズの「Smart Fit Shoulder 1.5T」と「Smart Fit TorsoCardiac 1.5T」、そして最新の「Smart Fit Knee 3.0T」や、遊びをベースとしたアクティビティを通じて低年齢小児患者のストレス軽減をサポートする「Pediatric Coaching」ソリューションを展示。MR検査における患者の快適性や満足度の向上を果たす製品を精力的にリリースしていることをアピールしていた。


次世代ヘリウムフリーMRI「BlueSeal」

●64列128スライスのプレミアムCT「CT 5300」
 CTのエリアでは、64列128スライスのプレミアムCTモデル「CT 5300」のモックアップを展示するとともに、その特徴を複数のモニターで紹介した。
 「CT 5300」は、高齢化が進む今後の日本で予測されている“心不全パンデミック”を踏まえて、心臓CTの確実性と低被ばく撮影を追求したAI技術を搭載。核となるのは心臓専用のモーションフリー画像再構成機能「Precise Cardiac」の採用で、心臓検査でしばしば発生する画像のブレを自動的に抑え、心臓CTの画質向上に貢献する。また、AI技術の「Precise Image」を使用することで、心臓CTの根本的な画質を向上させると共に、大幅な被ばく低減を果たした。さらに、AIベースの画像再構成に特化して開発された高効率検出器「NanoPanel Precise detector」を配備。低線量イメージングに存在するアーチファクトを低減すると共にノイズを最大19%低減し、細部まで明瞭化した画像を生成する。ほかにも、遠隔環境での医療従事者間のコミュケーションを可能とする新ソリューションの「CT Collaboration Live」や、CT検査の準備・撮影・診断・インターベンションに関わる領域まで幅広くAI技術がサポートする「CT Smart Workflow」、肋骨の自動展開画像によってより迅速で確実性の高い診断をサポートする「Precise Rib」などを採用して、CT検査の新たな価値を提供している。
 CTのコーナーではほかにも、2層検出器を搭載したフラッグシップCTモデルの「Spectral CT 7500」を映像で紹介。病変の明瞭化やコントラストの向上、画像のカラーマップ、そして定量解析を可能とするスペクトラル画像を披露した。


64列128スライスのプレミアムCT「CT 5300」

●【初出展】移動式X線撮影装置「Zenition 90 Motorized」
Image Guided Therapyのエリアでは、昨年6月に発売した移動式X線撮影装置の外科用Cアーム「Zenition」シリーズの最上位モデル「Zenition 90 Motorized」を披露した。
「Zenition 90 Motorized」はフィリップス初の電動Cアームを採用したモデルで、カテゴリ内で最速クラスのCアーム動作速度(15°/秒)を誇り、合わせて直感的に操作できるモジュールによって簡単にコントロールできることが特徴。また、アームの角度はワンタッチで保存・呼び出しが可能で、術者の意図に応じて素早く動かせる。さらに、テーブルサイドにはタッチスクリーンモジュールを配して、手術の迅速化を実現した。ほかにも、Cアームが作動中に患者や術者に近づくと自動で停止する接触防止機能の「BodyGuard」を搭載して、高い安全性を確保する。機能装備として、ワンタッチで血管壁の自動描画を可能にした「Automatic Vascular Outline(自動血管壁描出機能)」や、フィリップスの血管撮影装置「Azurion」シリーズと同様のフラットディテクターと画像処理技術、造影剤の注入と撮影のタイミングを最適化する造影剤インジェクター同期機能などを採用して利便性を高めたことも、「Zenition 90 Motorized」のアピールポイントである。


移動式X線撮影装置「Zenition 90 Motorized」

●【初出展】超音波診断装置「EPIQ Elite Elevate」
 超音波診断装置のエリアでは、本年4月1日にリリースされた超音波診断装置「EPIQ Elite Elevate」を、ライブスキャンを交えて披露した。「EPIQ Elite Elevate」は自動化による検査効率の向上、画質の向上、直観的なワークフローを目指した装置で、腹部、血管、表在など多領域で使用できる“ユニバーサルプラットフォーム”をコンセプトに開発される。まず、Shear Wave Elastographyを用いて肝臓の硬さを非侵襲的に計測するアプリケーションElastQ(エラストキュー)に、自動化機能を追加した「Auto ElastQ」を新採用。数値が安定している計測箇所が提示され、検査時間を短縮するだけでなく、バラツキの低減に寄与する。次に、自動画像調節ツールのAutoScan Assistantの拡充。ピクセル単位の最適化アルゴリズム(Next Gen AutoScan)や、深さ方向の自動輝度調整(AutoScan Penetration)により、手動調整の手間を減らし、患者1人ひとりに最適化された画像をリアルタイムに描出することを可能としている。
 超音波診断装置のエリアではほかにも、EPIQより筐体を小型化したうえで、新しい自動化機能と高度なアルゴリズムを搭載した新製品の「Affiniti 70 Elevate」を展示。コンパクトで操作性が良く、しかも新しい自動化機能と高度なアルゴリズムを導入した同製品に、来場者は熱い視線を注いでいた。


超音波診断装置「EPIQ Elite Elevate」


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