GEヘルスケア・ジャパン/Creating a world where healthcare has no limits

GEヘルスケア・ジャパン/Creating a world where healthcare has no limits

https://www.gehealthcare.co.jp/

GEヘルスケア・ジャパンのブースでは、「Creating a world where healthcare has no limits:ヘルスケアの無限の可能性を追求しより良い社会を実現する」をテーマに掲げ、 進化した最新の製品・ソリューションを展示。 ITEM2025初日の4月11日には、オープニングセレモニーとして、最新のフラッグシップCTである「Revolution Vibe(レボリューション・ヴァイブ)」、マンモグラフィの新製品「Pristina Via(プリスティナ・ヴィア)」の発表がブース内で行われ、代表取締役社長兼CEOの若林 正基氏が新製品の概要を紹介。多くの来場者を集めていた。

●【新製品】新フラッグシップCT「Revolution Vibe」
CTブースでは、オープニングセレモニーで4月11日に発表されたばかりの64列128スライスCT「Revolution Vibe(レボリューション バイブ)」が初披露された。同CTは、頭部・体幹部において、過去10年間培ってきたDual Energy技術とDeepLearning技術を用いた「TrueFidelity Image」によって、従来検出困難だった病変を、検出感度を高く描出することができる。
同CTは循環器領域において、ガントリ1回転0.23秒の高速化を実現して、いかなる心拍の状態の患者に対してもβブロッカーを用いることなく1心拍での撮影が可能である。救急領域においても心電波形を用いずに心臓CT撮像を実現する技術を開発し、緊急度が高い患者に対して心臓を含む全身CT検査の早期実施及び、早期診断に貢献する。
同装置は、コストセービングを開発のコンセプトに据え、フラッグシップとして初めて低電力モード「Energy Saving Mode 2.0」を搭載。これは、同CTを長時間使用しない際に低電力モードに移行させる機能で、1日のエネルギー消費量(kWh)を30 %以上削減することができる。
代表取締役社長兼CEOの若林氏は同CTの手応えについて問われると、「この装置は臨床用のフラッグシップ装置として開発した。日本の病院経営が厳しい中、このような業務の効率化を上げながら高い医療サービスを提供するためのハイスペック装置を提供するのが最も良いアプローチ方法だと考えている。高額なCTやMRIは、装置の買い替えまでの期間が長期化しているが、そのため性能が陳腐化してしまっている装置も多くなっており、その中でこの『Revolution Vibe』は大きなインパクトを残すのではないかと期待している」とコメントした。


フラッグシップCT「Revolution Vibe」と若林氏

●1.5T MRI「SIGNA Champion」
MRブースでは、昨年ITEMで発表された1.5T MRI「SIGNA Champion」が展示された。同製品は70㎝のワイドボアに加え、寝台の厚みを極力薄くするなどして、ボア内の空間をより広く確保、寝台は最低49㎝まで下げることができるなど、快適な検査環境を提供している。また、軽くて柔軟性に富み、高解像度な画像提供に貢献するマルチパーパスな21chのAIRコイルは、肩や膝の関節だけでなく、腹部領域、特に肝臓の検査などでも威力を発揮する。展示ブースでは、さまざまなタイプのAIRコイルを紹介したほか、昨年のRSNAでも紹介されたコイル収納用具(※国内未販売)などが出展された。
また、消化器内科での検査で注目されている「MRエラストグラフィ」検査におけるパッシブドライバーの表面が柔軟な素材のものを出展。従来は固い表面のものを装着していたことで、患者の苦痛を軽減したほか、振動の伝わり具合も良くなったことからAIRコイルと相俟ってより快適性が向上し、鮮明な画像を描出することができる。
このほか、AI技術を用いたMR画像解析技術として画質向上を図る「AIR Recon DL」と撮影時間短縮を図る「Sonic DL」の2つの技術について、実際の事例を示しながら改めてその有用性を紹介した。


1.5T MRI「SIGNA Champion」

●【新製品】マンモグラフィ「Pristina Via」
ウーマンズヘルスのゾーンでは、初日の4月11日に発表されたばかりのマンモグラフィ「Pristina Via(プリスティナ・ヴィア)」を展示した。同装置は、従来装置の持つ“被検者に痛みの少ない”デザイン性は従来機能を維持しながら、ワークフローを一新。カードリーダーを搭載しており、検査を担当する診療放射線技師を認識させることで自動で同技師が行う撮影プロトコルなどを設定することができる。zero-click acquisition機能により、撮影を自動化し、不要な操作を削減することでシームレスなワークフローを実現。過去画像をマンモグラフィのモニター上で確認でき、従来装置でトモシンセシス画像の描出処理に数十秒かかっていたものを2.5秒と高速化を図ることで検査時間を大幅に短縮することができる。
また、乳房が小さく、高濃度乳腺(デンスブレスト)の人が多い日本人向けに調整されの撮影モード・画像処理のバリエーションも搭載している。
ウーマンヘルスに関して若林氏は「日本の医療において、がん治療と心疾患が解決すべき大きな課題。その中で乳がんに関しては、当社としてCTやマンモグラフィ、超音波、新しいPETトレーサーによるPET-CTなど、最新の技術を駆使して課題解決を促進し、日本の医療に貢献したい」と今後の抱負を語った。


マンモグラフィ「Pristina Via」

●デジタルソリューション
同社が提供する医療機器の会員向け保守リモートサービス「OriGEn」について、昨年秋に実装が可能となった医療機器のMR適合性検索システム「Nextant(ネクスタント)〔メディエ社〕」、オプションとして故障リスクやトラブルの予兆事前予兆サービスについて紹介した。また、放射線関連のソリューションも数多く出展。「ESW Radiation」は、放射線科における技師長等、リーダー層のスタッフが病院経営・運営を効率化するための資料を提供するといったことを想定したソフトウェアとなっている。
線量管理ソリューション「DoseWatch」は、組織規模の総合的な線量管理ソリューションであり、様々な状況下(複数施設・複数モダリティ)における施設全体の線量情報の収集・管理を実現する。患者単位、検査プロトコル単位で線量情報や撮影回数情報を収集することができ、高線量検査の把握、そして線量の最適化に貢献する。

●【新機能】コマンドセンター(Command Center)
コマンドセンターは、病院における病床管理、ベッドコントロールを行う医療ソリューション。すでに30近い医療機関に導入されており、高い評価を受けているが、ITEM2025では新たに放射線科向けのコマンドセンターが登場した。同ソリューションは信州大学病院 放射線科の山田 哲教授や診療放射線技師らとディスカッションしながら開発を進めたもの。
放射線科における検査の進捗状況や予約状況、読影医の業務状況を把握することができる
また、各検査についてはプライオリティインデックス(PI)値を設け、同院における検査の緊急度や優先度を独自のアルゴリズムで解析、表示することで、放射線科のスタッフが検査予定を組み替えるなど、効率的な検査業務・読影業務を行うことで患者満足度の向上や病院経営・運営への貢献を目指すとしてしている。
 コマンドセンターについても若林氏はコメントし、「日本の病院経営が苦しい中、当社が提供するコマンドセンターは、約30の医療施設で導入されるなど、病床稼働率を高めることで経営の健全化に貢献してきた。これをもっと普及させ、病院経営の指南役として日本の病院経営のスタンダードとすることで病院経営の健全化が進めば、新たな投資とイノベーションが生まれ、それが患者サービスの向上につながる。今は人手不足や病院の赤字経営など、負のスパイラルに陥ってしまっているに入ってしまっていると思う。それを止め、経営の財源を確保して投資していく方向に向けていくことが大事であり、そのようなサービスを提供していきたいと考えている」と述べた。


放射線科向けコマンドセンターの画面

このほか、核医学に関するMIブースでは、「Omni Legend」シリーズを出展した他、昨年、GEがメジフィジックス社の子会社化と、AIと画像ソリューション企業であるMIM Software社を買収した点をトピックスとして紹介。GEが積極的に取り組んでいるTheranosticsやOncology PETに関するさまざまな技術を紹介した。


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