ファインデックス / 医療機関と薬局を情報で繋ぐトレーシングレポートサービス「AAdE-Report」を共同開発

 京都大学医学部附属病院、 ファインデックスとメディセオは、 医療機関と近隣の薬局とのトレーシングレポートを連携するクラウドサービス「AAdE-Report(Adherence and adverse drug event report)」を共同開発(メディセオは共同開発をサポート)し、 2023年3月13日より運用を開始した。

背景
トレーシングレポートとは、薬剤師が患者からヒアリングした情報のうち「緊急性は低いものの、処方医に伝える必要がある」と判断した内容を、次回の処方のために医師へ伝達するための文書であり、服薬情報提供書とも呼ばれる。このトレーシングレポートは、2016年4月の診療報酬改定後から本格的に各地の薬局へ導入され、服薬に関する患者へのフォローを一元的に行うことを可能にした。医薬分業の中で限られていた医療機関と薬局の情報共有を推進する手段として、今日に至るまで大きな役割を果たしている。一方、医療機関と薬局との間でなされるコミュニケーションは、現在もFAXや電話を使ったやり取りが中心であり、処方医と薬剤師の電子的な情報連携は非常に困難であった。

AAdE-Report(Adherence and adverse drug event report)について
AAdE-Reportは、これまで医療機関や薬局が処理に困っていた紙媒体のトレーシングレポートを、各施設で電子的に管理できるようにするサービス。本サービスはGoogle Cloud の東京リージョン環境で動いている。本サービスを利用することで、トレーシングレポートを送受する薬剤師の業務の効率化のみならず、服薬状況などの患者情報がオンラインで共有され、医師は次回以降の診察時にそれらを効果的に役立てることができる。このような取り組みは、地域包括ケア社会における医療機関と薬局の連携をより強めることに繋がり、安全で安心な医療コミュニティの構築に貢献できるものと考えられる。

今後の予定
2022年には、政府により「医療DX令和ビジョン2030」が策定され、他業種からの遅れが目立つ医療分野のDXを、厚生労働省の主導で進めて行くことが決定した。これを受け、オンライン資格確認や電子処方箋の利用など、事業者を交えた様々な取り組みが活発化している。AAdE-Reportは、ファインデックスが提供する、医療機関と患者のコミュニケーションツール「Medical Avenue」との連携を2023年度中を目途に予定している。医療機関・薬局・患者の3者間における、効率的な情報共有を推進するとともに、2023年1月から運用が開始された電子処方箋の運用に関する公的なプロジェクトとも歩調を合わせながら、医療機関や薬局における業務運用の簡素化を目指していく。

問い合わせ先=京都大学医学部附属病院 総務課企画・広報掛
TEL:075-751-4334
MAIL:hisyokoh@kuhp.kyoto-u.ac.jp

問い合わせ先=ファインデックス
問い合わせフォーム:https://findex.co.jp/inquiry/index.html

問い合わせ先=メディセオ  担当:メディパルホールディングス 広報部
TEL:03-3517-5171


その他の記事

HITO病院とNTT Com/テレビを活用した訪問看護のオンコール業務効率化の実証を開始(25.3.10)

 社会医療法人石川記念会HITO病院(以下 HITO病院)とNTTコミュニケーションズ(以下 NTT Com)は、高齢者が慣れ親しんでいる自宅のテレビを活用した訪問看護のオンコール業務効率化に関する実証(以下 本実証)を2025年3月より開始する。本実証では、チカクが開発し、NTTドコモが提供するビデオ通話サービス「ちかく」を活用し…

長崎大学/NECのAIを用いて実施する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ワクチンの研究開発に、CEPIによる資金拠出が決定(25.3.10)

 長崎大学感染症研究出島特区は、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ワクチンの研究開発に向けて、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI: Coalition for Epidemic Preparedness Innovations)から研究開発支援を受けることが決定した。CEPIからの資金拠出は最大7億5千万円であり、長崎大学が保有する知的財産であるワクチン…

島津製作所/世界初、小型化に成功した光格子時計を発売開始(25.3.6)

 島津製作所は、3月5日に18桁精度に相当するストロンチウム光格子時計「Aether clock OC 020」(イーサクロック、以下、本製品)の受注を開始した。光格子時計は原子時計の一種で、現在の「秒」の定義の基準となっているセシウム原子時計に対して100倍以上の精度を実現する。18桁精度は100億年に1秒の誤差に相当し、光格…

保健医療福祉情報システム工業会/創立30周年記念講演会・賀詞交換会を開催(25.2.21)

 一般社団法人保健医療福祉情報システム工業会(以下、JAHIS)は、1月22日、東京會舘(東京・千代田区)で、昨年4月に迎えた創立30周年を記念し、特別講演会と賀詞交換会を行った。  第1部の冒頭、総務会長の下山赤城氏は、「1994年の発足当初172社だった会員が現在386社に増えた。この30年で大きく変化した情報化社会…

2025年日本国際博覧会大阪パビリオン/大阪ヘルスケアパビリオンでの体験をより豊かにするアプリ 2025年2月13日(木)より提供開始(25.2.13)

 公益社団法人2025年日本国際博覧会大阪パビリオンは、2025大阪・関西万博の開幕2ヶ月前にあたる2025年2月13日(木)より、パビリオンの展示体験をより楽しめるスマートフォンアプリ「大阪ヘルスケアパビリオン公式アプリ」をリリース。 ダウンロードURL: 【iOS】 https://apps.apple.com/jp/app/id6670754800 【A…

アライドテレシス/安定性と信頼性の高い無線LAN環境を提供、JMSの輸液ポンプとの安定運用を実証(25.2.13)

 アライドテレシス(本社 東京都品川区)は、ジェイ・エム・エス(本社 広島県広島市)の協力のもと、同社製Wi-Fi 6対応無線LANアクセスポイト「AT-TQ6702 GEN2」と病院向けの輸液ポンプ「キュアセンス®IP-100」と「キュアセンス®輸液ポンプI P-100外部連携用通信ソフト」の接続検証を実施した。  ジェイ…

富士フイルム/World Cancer Dayへ協賛(25.1.30)

 富士フイルム(本社:東京都港区)は、国際対がん連合(UICC: Union for International Cancer Control)が主導する「World Cancer Day(世界対がんデー)」に、Visionary Partner(ビジョナリーパートナー)として2025から2027年までの3年間、協賛する。  毎年2月4日に定められているWorld Cancer Dayは、世界中でが…

島津製作所/世界最大級のAIコンペティション「Kaggle」で金メダルを獲得 上位1%に相当する「Kaggle Master」に昇格(25.1.27)

 島津製作所の分析計測事業部技術部イメージングGの金本和樹が、世界最大のAIのコンペティションプラットフォーム「Kaggle(カグル)」の「Child Mind Institute — Problematic Internet Use」(以下、本コンペティション)に単独で参加し、金メダルを獲得した。参加者3559チームのうち、8位に入賞し、コンペティション参…

富士フイルム/健診サービス事業の新拠点「NURA Global Innovation Center(ニューラ グローバル イノベーション センター)」をインドに開設(24.12.25)

 富士フイルム(本社:東京都港区)は、12月24日、健診サービス事業の新拠点「NURA Global Innovation Center(ニューラ グローバル イノベーション センター)」をインドのケララ州にあるコジコードにオープンする。今回オープンする「NURA Global Innovation Center」は、がん検診・生活習慣病検査サービスを提供する健…

第44回医療情報学連合大会/3800名以上の参加者が「デジタルヘルスの新未来」を論じあう(24.12.20)

 第44回医療情報学連合大会(第25回日本医療情報学会学術大会)が2024年11月21~24日、福岡国際会議場・福岡サンパレス(福岡市博多区)で開催された。大会長は中島直樹氏(九大)。同大会は、現地開催に加えオンライン配信を含むハイブリッド方式による開催となった。  22日に行われた開会式では、大会長の中島氏が挨…

米盛病院&シーメンスヘルスケア/高度な医療提供により地域貢献目指すパートナーシップ締結(24.12.20)

社会医療法人緑泉会とシーメンスヘルスケアは11月12日、緑泉会 米盛病院 米盛ラーニングセンター(鹿児島市)にて合同記者発表会を開催。両者が高度な医療提供による地域への貢献を目指し14年間のパートナーシップを締結したことを発表した。  冒頭、シーメンスヘルスケア代表取締役の櫻井悟郎氏が登壇し、「シーメンス…

NEC/医療DX推進を目指し「ヘルスケア生成AI活用プラットフォーム」を提供開始(24.12.20)

 NECは、病院経営の最適化や持続可能な地域医療の実現に向けた医療機関及び、関係機関におけるDX推進を目指し、地域医療における生成AI早期実装を支援する「ヘルスケア生成AI活用プラットフォーム」を2025年2月から順次提供開始する。また同時に、本サービスの拡充と新たな価値創造を様々なパートナーとともに実現する「B…

NEC/経口投与型の個別化がんワクチン「NECVAX-NEO1」の第Ⅰ相臨床試験の中間結果をESMO免疫腫瘍学会2024で発表(24.12.12)

 NECグループでAIによる創薬の臨床開発を手掛けるNEC Bio Therapeutics (NECバイオセラピューティクスは、固形がんにり患した患者を対象に、経口投与型の個別化がんワクチン「NECVAX-NEO1」と免疫チェックポイント阻害剤(CPI)を併用した第Ⅰ相バスケット臨床試験を実施している。同社はこのたび、ワクチン投与24週間後の…

ニコン/欧州分子生物学研究所と次世代の研究を支える技術開発パートナーシップを締結 (24.11.28)

 ニコン(以下、ニコン)は、欧州分子生物学研究所(European Molecular Biology Laboratory、以下「EMBL」)と、技術開発パートナーシップを新たに締結した。 この協力関係によりニコンは、次世代の顕微鏡技術の開発を加速し、グローバルな研究コミュニティが直面する複雑な課題に対するソリューションを提供していく。 …

日本核医学会&日本核医学技術学会/学術総会&総会学術大会を合同開催、核医学の可能性を訴える(24.11.25)

第64回日本核医学会学術総会と第44回日本核医学技術学会総会学術大会が11月7日~9日の3日間、パシフィコ横浜 会議センター/展示ホールAで共同開催された。第64回日本核医学会学術総会の会長は橋本 順氏(東海大)、第44回日本核医学技術学会総会学術大会の大会長は森 一晃氏(虎の門病院)が務めた。大会テーマは「築く・…

TOPへ