ボストン・サイエンティフィック ジャパン/FARAPULSE™ パルスフィールドアブレーションシステム、 持続性心房細動に対する新たな適応追加承認を取得(25.9.8)
ボストン・サイエンティフィック ジャパン(本社:東京都中野区)は、9月3日、同社のFARAPULSE™ パルスフィールドアブレーション(PFA)システムが、日本国内において新たに持続性心房細動を対象とした適応追加に係る承認を取得した。
FARAPULSE PFAシステムは、従来、薬剤抵抗性を有する再発性症候性の発作性心房細動の治療を対象としていたが、今回の適応追加によって、治療がより困難とされる薬剤抵抗性を有する症候性の持続性心房細動の患者に対しても、非熱性アブレーションであるFARAPULSE PFAシステムを新たな治療の選択肢の一つとして提供できるようになる。
FARAPULSE は、熱や冷却ではなく、電気のパルスを用いて心臓組織を選択的に処置することが期待される、新しいタイプのアブレーションシステムである。従来の高周波または冷凍アブレーションと比べて、食道や横隔神経といった周辺組織へのダメージを抑えることや、より安全性と再現性に優れた治療を提供することが期待される。
東京医科大学病院 病院長特別補佐 循環器内科 主任教授 里見和浩先生は、次のように述べている。「FARAPULSEは、これまでの心房細動の治療におけるアブレーション手技に大きな革新をもたらしたと感じています。特に、今回、持続性心房細動という治療の難しい患者層にも使用可能になったことは、医療現場にとって大きな意義があります。従来の熱エネルギーに比べて周辺組織への影響が少なく、より安全性を考慮した治療が可能になります。今後、多くの患者さんにとって福音となることを期待しています。」
心房細動(AF:Atrial Fibrillation)は、発作性と持続性に大別される。発作性心房細動は、発症しても多くの場合、7日以内に自然に正常な脈(洞調律)に戻るとされているが、持続性心房細動は7日以上持続する病態を指す。さらに、1年以上にわたり持続する場合は「長期持続性心房細動」と分類される。国内のレジストリによれば、2022年にアブレーションを受けられた患者のうち約55%が発作性、約45%が持続性でした。これまで、FARAPULSE PFAシステムは、発作性心房細動を適応対象としていたが、治療件数の増加とともに、持続性心房細動への適応が求められていた。このたび、FARAPULSE PFAシステムでの持続性心房細動の治療が可能となり、より多くの患者に本治療のメリットを提供できる運びとなった。また、これまでのFARAPULSE PFAシステムでの治療方法は肺静脈隔離であったが、今回の適応追加に伴い、持続性心房細動に対して左房後壁隔離も実施することが可能となる。
今回の適応追加承認は、米国FDAでの承認取得時に用いられたADVANTAGE AF臨床試験フェーズIの成績を基にFARAPULSE PFAシステムの安全性と有効性が評価されたものである。本試験は前向き、単群、多施設共同試験であり、薬剤抵抗性を有する症候性の持続性心房細動の患者260名を対象に、世界43施設で実施された。その結果、主要有効性評価項目とした手技1年後の治療成功率は63.5%、主要安全性評価項目とした複合重篤有害事象の発現率は2.3%であり、いずれも事前に規定した目標を達成した。脳卒中、肺静脈
狭窄、心房食道瘻などの重篤な合併症は報告されてなかった。
ボストン・サイエンティフィック ジャパンの代表取締役社長 森川智之氏は、次のように述べている。「私たちは、医療従事者の皆さまと共に、より安全で信頼性の高い治療を日本中に届けたいと考えています。FARAPULSEは、まさに“技術革新”によって、医療現場を支える以上に、医療現場に革新をもたらす存在です。今回の適応追加を通じて、治療の選択肢をさらに広げ、治療の質の向上、そして患者さん一人ひとりに貢献できることを心から嬉しく思います。」
ボストン・サイエンティフィックは、心房細動をはじめ、心筋梗塞、狭心症、心臓突然死といった心疾患に対する革新的でエビデンスに基づく治療法を世界中から日本に導入し、患者とその家族に安心と希望を届けている。これからも、心疾患治療分野のリーディングカンパニーとして日本の医療に貢献していく。
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