キヤノングループにおけるヘルスケアIT事業強化に向けた組織再編について

 キヤノンマーケティングジャパン(以下キヤノンMJ)、キヤノンMJの子会社であるキヤノンITSメディカル(以下キヤノンIM)およびキヤノンメディカルシステムズ(以下、キヤノンメディカル)は、キヤノングループにおけるヘルスケアIT事業の強化に向けて、キヤノンメディカルの電子カルテや医事会計システムなど病院情報システムのシステムインテグレーション事業をキヤノンIMに統合することについて、基本合意した。
 キヤノンMJグループは、『2021-2025長期経営構想』で「社会・お客さまの課題をICTと人の力で解決するプロフェッショナルな企業グループ」をビジョンに掲げ、ITソリューション事業を中核とした企業へ向けた変革を進めている。ヘルスケア IT領域においては、キヤノンIMを通じて医療現場の業務効率化を支援する電子カルテや医事会計システムなどの医療機関向けのITリューションを国内に提供しており、医療従事者がより一層患者対応に専念できる環境創出を目指している。
 キヤノンメディカルは、CT・MRI・超音波診断装置・X線診断装置などの画像診断装置をコア事業に、体外診断、ヘルスケアITに事業領域を広げ、世界150以上の国や地域に製品、サービスを提供し、グローバルに医療に貢献している。このうちヘルスケアIT領域では、画像診断装置で得られたデータを効率的に保管、解析する画像ソリューション、画像処理ワークステーションや、電子カルテや医事会計システムなど病院情報システムの提供を通じて、高品質かつ効率的な医療の実現を支援している。
 本組織再編は、キヤノンIM、キヤノンメディカル双方で行っていた病院情報システムのシステムインテグレーション(以下、 SI)事業に関して、キヤノンメディカルが持つ営業およびシステム構築、保守などSI機能をキヤノンIMに統合する。対象となる病院向けの情報システムの導入には専門的かつ高度なSIが必要である。キヤノンIMは病院情報システムのSIを強みとしており、本統合によって従来以上に顧客ニーズに合致したソリューションを効率的に提供できる体制を整えていく。他方、キヤノンメディカルは病院情報システムのソフトウェア技術の強みを活かし、アプリケーション商品の開発と販売を継続していく。
 キヤノンIMは、今回の統合を通じて医療市場におけるシステムインテグレーターとしての体制をより一層強化し、医師の働き方改革や遠隔診療、医療情報の共有など、今後ますます多様化する医療現場のニーズをいち早く捉え、これらの課題に応える最適なソリューションを高度なSIとともに提供する。さらに、キヤノンMJグループが保有する幅広い業務知見やIT技術を活かし、医療機関における喫緊の課題とされる災害対策やサイバー攻撃に対応する情報セキュリティ体制の構築並びに医療ドキュメントの電子化支援など、新たなサービスの提供も含めて医療のデジタル化と運用をトータルでサポートしていく。
 キヤノンメディカルは今回の再編を通じて、病院情報システムのソフトウェア技術、およびAIと3Dを活用した画像解析技術の開発を加速する。そして画像診断システム事業との関連が深くグローバルな成長が見込まれる読影支援ソリューション、診療支援ソリューションなどの分野に注力することにより、医療現場のDXおよび効率的な運用をサポートし、患者中心の質の高いケアを提供する医療施設の支援を強化していく。
 今後、キヤノンMJおよびキヤノンIM、キヤノンメディカルは、病院情報システムのSI事業に関して、2023年中の統合を目指して具体的な協議を進めていく。

問い合わせ先=キヤノンマーケティングジャパン 広報部パブリックリレーションズグループ
TEL:03-6719-9093

問い合わせ先=キヤノンメディカルシステムズ 総合企画センター 広報室
TEL:0287-26-5100


その他の記事

Transgene社とNEC/個別化ネオアンチゲンがんワクチンTG4050が、頭頸部がんに対して2年以上の無再発状態と持続的なT細胞の応答を示したことを確認(25.6.2)

 がん治療向けウイルスベース免疫治療のデザインおよび開発を手掛けるバイオテクノロジー企業Transgene SA(トランスジーン、以下 Transgene社)と日本電気(以下 NEC)は、米国・イリノイ州シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO:American Society of Clinical Oncology)の2025年次総会において、HPV陰性頭頸部がん…

キヤノンメディカルシステムズ/小児向け超音波検査説明用動画 「ちょうおんぱけんさのようすをみてみよう!」公開(25.5.29)

 キヤノンメディカルシステムズ株式会社(本社︓栃木県大田原市 、以下、キヤノンメディカル)は、小児向け超音波検査説明用動画「ちょうおんぱのようすをみてみよう!」(以下、本動画)を制作し、キヤノンメディカルのYouTubeで公開した。  本動画は、北九州市立八幡病院 小児臨床超音波センター 小野友輔 センター長…

イーメディカル東京/Neuspectiveと連携し、生成AIによる 読影レポート支援システムを導入(25.5.23)

 遠隔読影サービスを提供するイーメディカル東京(本社:東京都中央区、以下「同社」)は、Neuspective(東京都中央区)と連携し、同社が開発した生成AIを活用した読影レポート支援プロダクト(以下「本プロダクト」)を導入した。 ■導入の背景と目的 遠隔読影では、依頼元の医師からの要望や臨床情報が読影医に十分…

メドレー/百五銀行と協業を開始し、東海地方の医療・介護・福祉事業所への業務支援を強化(25.5.8)

 メドレー(本社:東京都港区)は、地域の医療・介護・福祉事業所が抱える人材領域の経営課題解決を目指し、百五銀行(本店所在地:三重県津市)との協業を開始した。  百五銀行は三重県に本店を置き、三重県・愛知県などの東海地方を中心に展開する地域に根差した金融機関である。本取り組みでは、百五銀行を通じて、…

島津製作所/筑波大学発スタートアップ、認知症予防に向けた会員制サービス「MCBIメンバーズ」を開始(25.4.30)

 島津製作所が出資する筑波大学発スタートアップのMCBIは、認知症予防に向けた会員制ウェブサービス「MCBIメンバーズ」を開始した。同サイトではMCBIが提供する認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)のリスクを判定する「MCIスクリーニング検査プラス」の検査結果通知サービス「My MCIプラス」、オンライン運動教室「e…

鹿児島地域医療介護ネットワークとパシフィックメディカル/薩摩川内市における「マルチ医療DX事業」において離島の医療アクセス向上を目指し、甑島での医療MaaSの運用を開始(25.4.28)

 一般社団法人鹿児島地域医療介護ネットワーク(以下 鹿児島地域医療介護ネットワーク)と、メドレーのグループ会社であるパシフィックメディカルは、鹿児島県薩摩川内市の支援のもと推進している「マルチ医療DX事業」において、有人離島である甑島(読み:こしきしま)での医療MaaSの運用を開始する。医療MaaS車両の運行…

BARCO /プリメディアカンファレンス 32MPディスプレイ他、新製品がITEMに登場(25.4.21)

 BARCO(バルコ)は、3月17日、東京本社(東京・大田区)でITEM2025に先駆け、同イベントに展示する新製品の発表会を開催した。  冒頭、加藤浩典社長が、「昨年90周年を迎え、映画用プロジェクターでは世界の6割、ワイヤレス会議システムでもトップシェアを誇る。ヘルスケア分野でも80万台以上の医用ディスプレイが使わ…

キヤノンメディカルシステムズ/CT国内導入50年の節目の年に新製品を発売(25.4.21)

 キヤノンメディカルシステムズは、4月2日、キヤノンマーケティングジャパン Sタワー(東京・港区)でメディア向けの説明会「CT国内導入50年/ITEM開催についてのラウンドテーブル」を開催した。  はじめに同社CT事業部長の杉原直樹氏が挨拶し、「今年は国内でCTが導入されて50年という節目の年に当たる。ITEM2025(国…

シーメンスヘルスケア/放射線医学の最新トレンドとシーメンスの最新技術を紹介(25.4.21)

 シーメンスヘルスケアは、3月26日、同社本社(東京・品川区)で「次世代医療の到来:放射線医学における最新トレンドと、シーメンスヘルスケアの技術的強み」と題したメディア向けラウンドテーブルを開催した。  冒頭、同社代表取締役社長の櫻井悟郎氏が「当社の事業概要とイノベーションの取り組みについて」と題して…

フィリップス・ジャパン/日欧の放射線科医が現在の医療における課題を討論(25.4.21)

 フィリップス・ジャパンは、3月19日、同社本社(東京・港区)にて、「日本の医療が抱える課題、その解決策としてのAIやDXの活用の進展と課題」と題したプレスセミナーを開催した。 冒頭、プレシジョン ダイアグノシス事業部長の門原 寛氏が登壇し、国内の医療機関における放射線科の課題と、その課題解決に向けたAI技術…

JIRA/今年度の活動基本方針を発表─装置買替長期化を懸念(25.4.21)

 日本画像医療システム工業会(以下JIRA)は、4月11日、2025国際医用画像総合展(ITEM 2025)会場にて、毎年恒例の活動基本方針に関する記者会見を行い、「2025年度JIRA活動方針」を中心に瀧口登志夫会長は以下のように述べた。  冒頭、医療機器産業を取り巻く環境の変化について「昨今の世界情勢、社会、経済環境の変…

JRC2025/“Radiology for Everyone”─産・学が放射線治療の可能性を探る(25.4.21)

 毎春恒例のJRC2025(理事長:青木茂樹氏/順大)が4月10~13日の4日間、パシフィコ横浜(西区)で開催された。  同イベントは、第84回日本医学放射線学会総会(会長:高瀬 圭氏/東北大)、第81回日本放射線技術学会総会学術大会(大会長:岩永秀幸氏/東大病院)、第129回日本医学物理学会学術大会(大会長:磯辺智範…

島津製作所/臨床向けトータルソリューション提供へ 欧州グループ会社2社の統合で分析計測の試薬事業を強化(25.4.3)

 島津製作所は、2025年4月1日に島津グループの試薬会社であるAlsachim SAS(フランス、略称ALC)を存続会社として同じくグループ会社のBiomaneo SAS(フランス、略称BMO)を吸収合併して、社名をShimadzu Chemistry and Diagnostics SAS(フランス、略称SCHD)に変更した。ALCは液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)用…

AMDD/「経済財政運営と改革の基本方針2025」に向けた提言を提出(25.3.26)

 一般社団法人米国医療機器・IVD工業会(AMDD:American Medical Devices and Diagnostics Manufacturers’ Association、所在地:東京都港区)は、イノベーションを推進し、質の高い医療を提供し続けるために官民一体となって取り組むことを目指して、本年度の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に向けて以…

【大阪ヘルスケアパビリオン】3/23(日)内覧会・開館式を開催(25.3.24)

2025大阪・関西万博「大阪ヘルスケアパビリオン」内覧会と開館式を、2025年3月23日(日)、大阪夢洲(ゆめしま) にて開催した。 内覧会では、パビリオンの目玉コンテンツである「リボーン体験ルート(健康データをもとに生成された25年後の自分(アバター)とミライのヘルスケアや都市生活を体験)」をはじめ、中小企業や…

TOPへ