NEC・聖隷浜松病院/周産期病棟における入室管理に顔認証を活用

  NEC(本社:東京都港区)は、聖隷浜松病院(所在地:静岡県浜松市)に顔認証を活用した入出管理システムを提供することとなった。聖隷浜松病院は、総合周産期母子医療センター(注1)を対象に2021年1月から本システムの運用を開始する。

聖隷浜松病院は、静岡県西部地区の総合周産期母子医療センターに指定されており、母体・胎児集中治療室(MFICU・15床)や新生児集中治療室(NICU・21床)、新生児回復室(GCU・20床)を有する。
聖隷浜松病院では、新生児の連れ去りを防止するため、従来は患者や家族にICカードを配付し入室管理をしていた。しかし、ICカードの不正入手や回収漏れ等による紛失が懸念されるほか、患者側はICカードの管理負担が生じること、病院側はICカードの登録作業が煩雑なことが課題とされていた。また、昨今の新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、感染管理の視点からも衛生的な仕組みが求められていた。
NECと聖隷浜松病院は、これらの課題を解決するため、NECの生体認証「Bio-IDiom」(注2)の中核技術である顔認証技術を活用し、安全で利便性が高く、衛生的な入室管理を実現した。
患者や家族は、事前に顔情報を登録することで、病棟やNICU、GCUに入ることが可能となる。登録した本人以外は入ることができないため、ICカードの不正入手によるなりすましや新生児の連れ去りを防止できる。またICカードの紛失リスクや管理負担を軽減しつつ、スムーズに入室することができる。
なお、本システムは、顔情報の使用に同意し登録した患者および家族のみが利用でき、同意を得ていない患者や家族の顔情報保持、および顔の照合を行うことはない。

本システムは、NECの電子カルテシステムMegaOakシリーズとの連携が可能。電子カルテシステムの患者情報に入室可能な家族の顔情報を登録することで、家族が入室できる病棟の自動設定や、電子カルテシステムに入力された入退日情報から入室できる期間の自動設定ができる。これにより、入室権限変更の漏れやタイムラグをなくし、より安全・安心な入室管理を実現する。

(注1)
母体または児におけるリスクの高い妊娠に対する医療及び高度な新生児医療等の周産期医療を行うことができる医療施設。都道府県が指定する

(注2)
「Bio-IDiom(バイオイディオム)」は、顔、虹彩、指紋・掌紋、指静脈、声、耳音響など、NECの生体認証の総称。世界トップクラスの技術や豊富な実績を活かし、ニーズに合わせて生体認証を使い分け、あるいは組み合わせることで、「誰もが安心してデジタルを活用できる世界」を実現していく。

問い合わせ先=NEC 医療ソリューション事業部
E-Mail:press@med.jp.nec.com

問い合わせ先=聖隷浜松病院 情報システム室
TEL:053-474-2239  E-Mail:hm-joho2@sis.seirei.or.jp


その他の記事

島津理化と東京農業大学/研究室の環境改善をテーマに共同開発(24.4.16)

 島津製作所のグループ会社として、研究・教育設備、理化学機器などの製造および販売を行う島津理化は、学校法人東京農業大学(以下、東農大)と安全で快適な研究環境づくりに関する共同開発契約を締結した。島津理化は、生命科学部分子生命化学科の矢島新教授と連携して研究室における化学物質使用時の作業改善や、ガス…

フィリップス/研究用MRIシステム3.0T「MR 7700」国内1号機、浜松医科大学医学部附属病院で稼働開始(24.4.15)

 フィリップス・ジャパン(本社:東京都港区、以下フィリップス)は、研究用システムである 3.0T「MR 7700」の国内 1 号機を導入した浜松医科大学医学部附属病院において、多核種(Multi Nuclei)イメージングを利用した撮像が開始されたことを発表した。  フィリップスの3.0T「MR 7700」は、先進の分子イメージングに…

Transgene社とNEC/頭頸部がんに対する個別化ネオアンチゲンがんワクチンTG4050のさらなる有効性を確認(24.4.10)

 がん治療向けウイルスベース免疫治療のデザインおよび開発を手掛けるバイオテクノロジー企業Transgene SA(トランスジーン)と日本電気(以下 NEC)は、米国・カリフォルニア州サンディエゴで開催されている米国癌学会(AACR: American Association for Cancer Research)の年次総会で、個別化ネオアンチゲンがんワクチンTG405…

インターシステムズ/エンタープライズデータファブリック についての Forrester Wave で「ストロングパフォーマー」に選出される(24.4.10)

 創造的なデータテクノロジープロバイダーであるインターシステムズは、「The Forrester Wave(TM): Enterprise Data Fabric, Q1 2024(The Forrester Wave(TM): エンタープライズデータファブリック 2024年 第1四半期)」において、「ストロングパフォーマー」に選出された。このレポートは、企業向けデータファブリックの…

富士フイルムとアストラゼネカ/肺がんの化学放射線療法の過去症例を検索できる医療情報システムを共同開発(24.4.10)

 富士フイルム(本社:東京都港区)とアストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区)は、切除不能なステージIII非小細胞肺がん(Non-small cell lung cancer、以下、NSCLC)に対する化学放射線療法(Chemoradiotherapy、以下、CRT)の過去症例を検索できる医療情報システム(以下、本システム)を共同で開発した。  CRTは…

富士フイルムメディカル/AI技術を活用した胸部X線画像病変検出ソフトウェア「CXR-AID」国内2000施設へ導入(24.4.10)

 富士フイルムメディカル(本社:東京都港区)は、AI技術を活用した胸部X線画像病変検出ソフトウェア「CXR-AID(シーエックス アール エイド)」の国内の累計導入施設数が2000施設を突破したことを発表。  胸部単純X線検査は、肺癌や肺炎、心臓疾患などのルーチン検査として多く実施されている。胸部単純X線画像は、骨や…

キヤノンメディカルシステムズ/PSP、エムスリーAIによる医療AI推進のための業務提携に合意(2024.4.5)

 キヤノンメディカルシステムズ(本社:栃木県大田原市)は、PSP(本社:東京都港区)およびエムスリーAI(本社:東京都港区)と、医療AIを活用したヘルスケアIT事業の協業において業務提携することに合意した。同社が得意とする「AI解析技術」や「3D処理技術」のライセンスをPSPが有する読影用の「DICOMビューアーソフ…

富士フイルム/クラウド型AI技術開発支援サービス「SYNAPSE Creative Space(シナプス クリエイティブ スペース)」提供開始(2024.4.1)

 富士フイルム(本社:東京都港区)は、医療機関や研究機関における画像診断支援AI技術の開発を支援するサービス「SYNAPSE Creative Space(シナプス クリエイティブ スペース)」の提供を4月12日より開始する。本サービスは、国立がん研究センターと共同で開発したAI技術開発の研究基盤システムを用いたもので、プログラ…

日立製作所/医薬品・医療機器製造業向け製造・品質管理システム 「HITPHAMS」のサブスクリプション型サービス「SaaS 版 HITPHAMS」の提供を開始(2024.3.28)

 日立製作所(以下、日立)は、医薬品・医療機器製造業向け製造・品質管理システム「HITPHAMS」のサブスクリプション型サービス「SaaS 版 HITPHAMS」の提供を開始した。「HITPHAMS」は、さまざまな形態の医薬品や医療機器の生産プロセスにおいて、GMP で要求される製造指図管理や製造実績管理を中心に、厳格な製造管理・品…

NTTとオリンパス/世界初、クラウド内視鏡システムに関する共同実証実験を開始 (2024.3.27)

 日本電信電話(本社:東京都千代田区、以下「NTT」)とオリンパス(本社:東京都新宿区、以下「オリンパス」)は共同で、内視鏡の映像処理機能をクラウド上で実現するクラウド内視鏡システムの実証実験を開始した。  クラウド内視鏡システムはオリンパスの内視鏡に対する高度な技術を活用し、内視鏡装置内で処理されて…

インフォコム/集患支援の地域医療連携クラウド「mProbe」を販売開始(2024.3.26)

 インフォコム(本社:東京都港区)は、病院の集患活動を支援する地域医療連携クラウドサービス「mProbe(エムプローブ)」の販売を4月1日より開始する。  病院の経営は人口減少やコロナ禍による病床稼働率低下の影響で悪化しており、約7割の病院が赤字とされ、収益改善が課題となっている。そこで中~大規模病院で…

富士フイルムメディカル/「医薬IoTソリューション事業」を開始(2024.3.22)

 富士フイルムメディカル(本社:東京都港区)は、富士フイルムの医薬品事業の中核会社である富士フイルム富山化学(本社:東京都中央区)より薬剤の監査・識別業務に関わる製品・サービスを提供する医薬IoTソリューション事業を継承し、事業拡大を目指す。製品・サービスの提供は4月1日より開始する。  継承する医薬IoT…

NECと東京医科歯科大学/AIにより慢性腰痛のセルフケアを支援する技術を開発(2024.3.21)

 日本電気(以下NEC)と国立大学法人東京医科歯科大学(以下TMDU)は、AI(人工知能)によりスマートフォンやタブレット端末で撮影した映像や問診データを解析して、慢性の非特異的腰痛(慢性腰痛)のセルフケアを支援する技術を開発した。これにより、慢性腰痛を持つ人が、時間や場所の制約なく自身で手軽に腰の状態を確認し、推…

GE ヘルスケア・ジャパン/都内3例目となるコマンドセンターの構築を東京都立墨東病院にて着手(2024.3.20)

 医療課題の解決に取り組むヘルスケアカンパニー、GE ヘルスケア・ジャパン(本社:東京都日野市、以下 GE ヘルスケア)は、地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立墨東病院(東京都墨田区、以下、墨東病院)と 2022 年より協議を重ね、2023 年 12 月に GE ヘルスケアが提供するコマンドセンターの導入について契約を…

富士フイルム/脳脊髄液腔の各領域を抽出するAI技術を共同開発(2024.3.20)

 富士フイルム(本社:東京都港区)と公立大学法人名古屋市立大学(所在地:愛知県名古屋市瑞穂区)は、MRI画像から脳脊髄液腔の各領域を抽出するAI技術を共同で開発した。本技術により、「治療で改善できる認知症」と言われ早期発見が重要なハキム病(特発性正常圧水頭症:iNPH)の診断精度向上が期待できる。本技術は、…

TOPへ