日立製作所/「国立病院機構 診療情報集積基盤(NCDA)」のデータ集積基盤を構築

 日立製作所は、独立行政法人国立病院機構(以下、国立病院機構)の「国立病院機構診療情報集積基盤」(National Health Organization Clinical Data Archives/以下、NCDA)のデータ集積基盤(以下、同基盤)を構築し、 3月28日から稼働を開始した。
 同基盤は、国立病院機構が全国で運営する病院で運用されている電子カルテシステムなどの診療情報を、一元的に収集・蓄積するもの。これにより国立病院機構は、膨大かつ複雑な診療情報を効率的に分析・可視化し、提供する医療の質の向上や病院の経営効率改善に役立てることが可能になる。
 なお、同基盤は、国立病院機構が推進する「電子カルテデータ標準化等のためのIT基盤構築事業」の一環として構築したものである。
 近年、先進国を中心に医療費の増加が大きな社会課題となっている。こうした中、全国で143の病院を運営する国立病院機構では、電子カルテなどの形式で蓄積された診療情報を分析し、提供する医療の質の向上や病院の経営効率改善に活用するための取り組みを進めている。しかし、電子カルテシステムには、メーカーや病院の規模などによってさまざまな種類があり、データの互換性の問題などから、多数の病院に蓄積されたデータを統合的に分析することは困難であった。また、すべての病院に同種の電子カルテシステムを導入するには、運用面やコスト面で課題があった。
 今回、同社が構築した同基盤は、さまざまな種類の電子カルテシステムに蓄積された診療情報を、一元的に収集・蓄積するもの。具体的には、国立病院機構が運営する各病院で個別に作成された電子カルテのデータを、診療情報の標準的な仕様であるSS-MIX2形式で収集するとともに、別途蓄積されたDPCデータやレセプトデータも統合してデータベース化する。これにより、各病院で使用する電子カルテシステムを変更することなく、膨大かつ複雑な医療情報を安全かつ効率的に分析・可視化することが可能になる。なお、 NCDAは、患者の重要な個人情報を取り扱うため、堅牢なセキュリティ対策を行った上で蓄積する。


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