日立製作所/日立の放射線治療システムを導入した永守記念最先端がん治療研究センターが治療開始

 日立製作所(以下、日立)の放射線治療システムを導入した京都府立医科大学永守記念最先端がん治療研究センター(以下、永守記念最先端がん治療研究センター)が、2019年4月1日から治療を開始した。
日立は、永守記念最先端がん治療研究センター向けに放射線治療システムである陽子線治療システム「PROBEAT-CR」、および高精度X線治療システム「TomoTherapy system Radixact」の運用支援や施設運営に関わるサービスを包括的に提供する。このサービスにより、永守記念最先端がん治療研究センターのスタッフは医療に専念でき、高度かつ最先端の放射線治療を提供できる。

永守記念最先端がん治療研究センターは、地元京都府と京都府民への貢献を目的に、エスエヌ興産より、京都府へ寄付された最先端のがん治療研究施設である。陽子線治療システムなど最先端の機器を1カ所に集約し、京都府立医科大学の放射線治療施設として運営されている。
放射線治療システムは、高度な医療機器のため定期的なメンテナンスが必要であり、また京都府初の陽子線治療システム導入施設であるため、普及に向けた府民への啓発活動や近隣の医療施設との連携といった運営支援のニーズがあった。

日立の粒子線治療システムは、世界的に著名な病院で導入されており、98%以上の装置稼働率実績や顧客への長期的かつ充実したサポート体制など高い信頼性と実績が評価されている。また、2000年から放射線部門向けの運用支援サービスを提供しており、提携施設に対して放射線診療に必要な機器の導入・安定稼働に関わるエンジニアリング支援、アセット管理などのオペレーション支援および設備の導入計画立案などの運営支援を実施している。
このような粒子線治療システムおよび放射線部門向けの運用支援サービスの実績が評価され、今回、陽子線治療システムの保守・運転支援、X線治療システム運用支援および施設運営支援を包括的に提供していくことになった。サービスの詳細は以下のとおり。

サービスの詳細

1. 陽子線治療システムの保守・運転支援

永守記念最先端がん治療研究センターおよび日立社内に保守体制を構築し、迅速な装置保守を実現する。陽子線治療システムの日々の運転支援や計画的な装置点検、リモートメンテナンスも実施する。

2. X線治療システム運用支援

X線治療システムを日立のアセットとして提供し、機器の維持・管理を行う。機器導入にかかる永守記念最先端がん治療研究センターの負担軽減や導入後の安定的稼働に貢献する。

3. 施設運営支援

永守記念最先端がん治療研究センターが主催する府民や医療関係者向けの陽子線治療およびX線治療に関する各種セミナー・講演会などを企画立案、放射線治療装置の技術的説明を行う。これにより、円滑な施設の運営と地域医療連携の構築に貢献する。

問い合わせ先=日立製作所 ヘルスケアビジネスユニット 放射線治療システム事業部
TEL:03-6284-3741


その他の記事

島津理化と東京農業大学/研究室の環境改善をテーマに共同開発(24.4.16)

 島津製作所のグループ会社として、研究・教育設備、理化学機器などの製造および販売を行う島津理化は、学校法人東京農業大学(以下、東農大)と安全で快適な研究環境づくりに関する共同開発契約を締結した。島津理化は、生命科学部分子生命化学科の矢島新教授と連携して研究室における化学物質使用時の作業改善や、ガス…

フィリップス/研究用MRIシステム3.0T「MR 7700」国内1号機、浜松医科大学医学部附属病院で稼働開始(24.4.15)

 フィリップス・ジャパン(本社:東京都港区、以下フィリップス)は、研究用システムである 3.0T「MR 7700」の国内 1 号機を導入した浜松医科大学医学部附属病院において、多核種(Multi Nuclei)イメージングを利用した撮像が開始されたことを発表した。  フィリップスの3.0T「MR 7700」は、先進の分子イメージングに…

Transgene社とNEC/頭頸部がんに対する個別化ネオアンチゲンがんワクチンTG4050のさらなる有効性を確認(24.4.10)

 がん治療向けウイルスベース免疫治療のデザインおよび開発を手掛けるバイオテクノロジー企業Transgene SA(トランスジーン)と日本電気(以下 NEC)は、米国・カリフォルニア州サンディエゴで開催されている米国癌学会(AACR: American Association for Cancer Research)の年次総会で、個別化ネオアンチゲンがんワクチンTG405…

インターシステムズ/エンタープライズデータファブリック についての Forrester Wave で「ストロングパフォーマー」に選出される(24.4.10)

 創造的なデータテクノロジープロバイダーであるインターシステムズは、「The Forrester Wave(TM): Enterprise Data Fabric, Q1 2024(The Forrester Wave(TM): エンタープライズデータファブリック 2024年 第1四半期)」において、「ストロングパフォーマー」に選出された。このレポートは、企業向けデータファブリックの…

富士フイルムとアストラゼネカ/肺がんの化学放射線療法の過去症例を検索できる医療情報システムを共同開発(24.4.10)

 富士フイルム(本社:東京都港区)とアストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区)は、切除不能なステージIII非小細胞肺がん(Non-small cell lung cancer、以下、NSCLC)に対する化学放射線療法(Chemoradiotherapy、以下、CRT)の過去症例を検索できる医療情報システム(以下、本システム)を共同で開発した。  CRTは…

富士フイルムメディカル/AI技術を活用した胸部X線画像病変検出ソフトウェア「CXR-AID」国内2000施設へ導入(24.4.10)

 富士フイルムメディカル(本社:東京都港区)は、AI技術を活用した胸部X線画像病変検出ソフトウェア「CXR-AID(シーエックス アール エイド)」の国内の累計導入施設数が2000施設を突破したことを発表。  胸部単純X線検査は、肺癌や肺炎、心臓疾患などのルーチン検査として多く実施されている。胸部単純X線画像は、骨や…

キヤノンメディカルシステムズ/PSP、エムスリーAIによる医療AI推進のための業務提携に合意(2024.4.5)

 キヤノンメディカルシステムズ(本社:栃木県大田原市)は、PSP(本社:東京都港区)およびエムスリーAI(本社:東京都港区)と、医療AIを活用したヘルスケアIT事業の協業において業務提携することに合意した。同社が得意とする「AI解析技術」や「3D処理技術」のライセンスをPSPが有する読影用の「DICOMビューアーソフ…

富士フイルム/クラウド型AI技術開発支援サービス「SYNAPSE Creative Space(シナプス クリエイティブ スペース)」提供開始(2024.4.1)

 富士フイルム(本社:東京都港区)は、医療機関や研究機関における画像診断支援AI技術の開発を支援するサービス「SYNAPSE Creative Space(シナプス クリエイティブ スペース)」の提供を4月12日より開始する。本サービスは、国立がん研究センターと共同で開発したAI技術開発の研究基盤システムを用いたもので、プログラ…

日立製作所/医薬品・医療機器製造業向け製造・品質管理システム 「HITPHAMS」のサブスクリプション型サービス「SaaS 版 HITPHAMS」の提供を開始(2024.3.28)

 日立製作所(以下、日立)は、医薬品・医療機器製造業向け製造・品質管理システム「HITPHAMS」のサブスクリプション型サービス「SaaS 版 HITPHAMS」の提供を開始した。「HITPHAMS」は、さまざまな形態の医薬品や医療機器の生産プロセスにおいて、GMP で要求される製造指図管理や製造実績管理を中心に、厳格な製造管理・品…

NTTとオリンパス/世界初、クラウド内視鏡システムに関する共同実証実験を開始 (2024.3.27)

 日本電信電話(本社:東京都千代田区、以下「NTT」)とオリンパス(本社:東京都新宿区、以下「オリンパス」)は共同で、内視鏡の映像処理機能をクラウド上で実現するクラウド内視鏡システムの実証実験を開始した。  クラウド内視鏡システムはオリンパスの内視鏡に対する高度な技術を活用し、内視鏡装置内で処理されて…

インフォコム/集患支援の地域医療連携クラウド「mProbe」を販売開始(2024.3.26)

 インフォコム(本社:東京都港区)は、病院の集患活動を支援する地域医療連携クラウドサービス「mProbe(エムプローブ)」の販売を4月1日より開始する。  病院の経営は人口減少やコロナ禍による病床稼働率低下の影響で悪化しており、約7割の病院が赤字とされ、収益改善が課題となっている。そこで中~大規模病院で…

富士フイルムメディカル/「医薬IoTソリューション事業」を開始(2024.3.22)

 富士フイルムメディカル(本社:東京都港区)は、富士フイルムの医薬品事業の中核会社である富士フイルム富山化学(本社:東京都中央区)より薬剤の監査・識別業務に関わる製品・サービスを提供する医薬IoTソリューション事業を継承し、事業拡大を目指す。製品・サービスの提供は4月1日より開始する。  継承する医薬IoT…

NECと東京医科歯科大学/AIにより慢性腰痛のセルフケアを支援する技術を開発(2024.3.21)

 日本電気(以下NEC)と国立大学法人東京医科歯科大学(以下TMDU)は、AI(人工知能)によりスマートフォンやタブレット端末で撮影した映像や問診データを解析して、慢性の非特異的腰痛(慢性腰痛)のセルフケアを支援する技術を開発した。これにより、慢性腰痛を持つ人が、時間や場所の制約なく自身で手軽に腰の状態を確認し、推…

GE ヘルスケア・ジャパン/都内3例目となるコマンドセンターの構築を東京都立墨東病院にて着手(2024.3.20)

 医療課題の解決に取り組むヘルスケアカンパニー、GE ヘルスケア・ジャパン(本社:東京都日野市、以下 GE ヘルスケア)は、地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立墨東病院(東京都墨田区、以下、墨東病院)と 2022 年より協議を重ね、2023 年 12 月に GE ヘルスケアが提供するコマンドセンターの導入について契約を…

富士フイルム/脳脊髄液腔の各領域を抽出するAI技術を共同開発(2024.3.20)

 富士フイルム(本社:東京都港区)と公立大学法人名古屋市立大学(所在地:愛知県名古屋市瑞穂区)は、MRI画像から脳脊髄液腔の各領域を抽出するAI技術を共同で開発した。本技術により、「治療で改善できる認知症」と言われ早期発見が重要なハキム病(特発性正常圧水頭症:iNPH)の診断精度向上が期待できる。本技術は、…

TOPへ