島津製作所/Withコロナでの働き方改革をサポート

島津製作所/Withコロナでの働き方改革をサポート

 科学技術で社会に貢献する島津製作所は、「Withコロナでの働き方改革をサポート」をメインテーマに掲げ、新開発の病院向けデジタル問診サービスや抗菌仕様タッチパネルを配した各種の最新機器などを精力的に披露した。

●病院向けデジタル問診サービス「Hospital Essentials」
 本年8月より試用版の提供を開始した病院向けデジタル問診サービス「Hospital Essentials(ホスピタルエッセンシャルズ)」。近年は医療機関の働き方改革、とくに医師の長時間労働への対策が喫緊の課題とされている。また、最近では新型コロナウイルス感染症対策のために、患者と医療従事者の対面時間を最少とする効率的な医療提供も望まれている。こうした背景から生まれたのが、患者のスマートフォン(以下、スマホ)にインストールしたアプリ「Hospital Essentials」を使って、受診に必要な様々な情報を病院側の受付システムと連携させ、患者の待ち時間短縮や院内業務の効率化を図る、新開発のデジタル問診サービス「Hospital Essentials」だ。システムの概要は、AppStoreまたはGoogle Playからダウンロード(無料)できる患者側のスマートフォン用アプリ「Hospital Essentials」と、医療機関側がインストールして同社の受付システムであるMERSYSシステムと連携させるクライアント用ソフトウェアで構成されている。
 主なメリットは4点。1点目は患者の病院滞在時間の短縮である。患者側はHospital Essentialsを使って氏名などの基礎情報のほか、事前問診にも回答できるため、受付での待ち時間を短縮できる上、診察もスムーズに進む。2点目は、現場に精通した医師監修の問診にスマホで簡単回答できること。本サービスの問診は、医療現場で必要な内容をわかりやすく効率的に回答でき、また問診による的確な症状把握で適切な診療科案内が可能だ。その後、スマホに届く診療科専用の詳細問診に回答することで、医師に病状が詳細に伝わる。患者自身での回答ができない場合に家族が代理回答できる家族登録機能も装備した。3点目は、医師の診療効率の向上だ。本サービスによって医師は効率よく患者の病状が把握でき、また、問診内容は最適な医療用語に自動変換されて送られてくるので、電子カルテにコピー&ペースト機能によって簡単に記載できる。そして4点目は、受付スタッフの業務負荷の低減である。受診時に必要な患者の基礎情報や問診内容をスマホのQRコードを介して読み取ることで、受付システムに瞬時にダウンロードが可能となる。これにより、院内情報システムへの患者登録などの事務作業がスムーズに行える仕組みだ。なお、製品化に関しては2022年度内に実施する計画。その際は、電子化した診察券や呼び出しなどの機能も装備する予定である。

●参考出品・次世代受付システム「MERSYS-Ⅹ」
“患者さま中心の医療サービスへのプラットフォーム”を謳う次世代受付システム「MERSYS-Ⅹ(テン)」も参考出品された。最初の項目には「再来受付」「初めての方」のほか、「お支払い」も表示。また、グローバル化に即して7言語に対応し、合わせて感染症予防対策の非接触パネルも装備可能とする。発売は本年秋以降に予定しており、発売後は前述のHospital Essentialsとも連携するという。
 本年4月にITEM2021で出品された診療所向け卓上支払機「Mer’C(メルシー)」も注目を集めていた。本体サイズを大幅縮小(奥行320mm)して診療所の受付カウンターにも設置できようにしたことに加え、感染症予防対策の非接触パネルも装備できるようになった。支払自体は、現金のほかにキャッシュレスにも対応する。アクセントカラーとして、グリーン/オレンジ/ピンク/ブルーの4バリエーションから選択できる点もトピック。現在80台ほどが出荷されている。人気のカラーの問いに、現地スタッフは「病院の個性を打ち出すためでしょうか、4タイプのカラーが満遍なく売れています」とコメント。

●診療費支払機「MERSYS-AR700」
 機器ではもう1点、新しい診療費支払機の「MERSYS-AR700」も来場者の視線を集めていた。患者に配慮したシンプルでスマートな本体デザインに、銀行のCDを参考にした硬貨の出し入れがしやすいレイアウト、決済中の誤操作を防ぐオートローディング方式のカードリーダ、異物排除機能など万が一のリカバリーのスムーズ化、4カ国語でのガイダンス表示など、利便性に優れる機能を豊富に採用する。もちろん、他機器と同様に感染症予防対策の非接触パネルも装備可能となっている。


その他の記事

TOPへ