シーメンスヘルスケア・コニカミノルタジャパン/医療サービス提供における提携を本格始動

 シーメンスヘルスケア(本社:東京都品川区)とコニカミノルタジャパン(本社:東京都港区)は、AI技術を活用した診断や診療を誰もが受けられる世の中の実現を目指し、医療サービス分野における提携を本格的に開始する。2020年6月に発表したシーメンスヘルスケアの胸部CT画像AI解析受託サービスをコニカミノルタジャパンの医療機関向けICTサービス「infomity(インフォミティ)」でも新メニューとして2021年4月より提供する。

今回の本格的なサービスの開始により、診療所を中心に多くの施設が使用しているコニカミノルタジャパンの「infomity」と、中規模・大規模病院を中心に導入が進んでいるシーメンスヘルスケアの「teamplay digital health platform(チームプレイ・デジタル・ヘルス・プラットフォーム」の両プラットフォーム上で、シーメンスヘルスケアのAI画像解析ソフトウェアを活用した診断支援サービスを使用できることになる。

「infomity」と「teamplay digital health platform」のコラボレーションから生まれる価値
AI技術を活用し大量の画像解析を行いたい施設にはシーメンスヘルスケアの「teamplay digital health platform」を、必要に応じて手軽にAI技術による診断支援を利用したい施設にはコニカミノルタジャパンの「infomity」を使用してもらう。両社の医療プラットフォームの特長をつなぐことで、より多くの医療施設で広くAI技術を活用できる機会を創出する。また、本サービスは、胸部CT画像から、肺・心臓・大動脈・胸椎の定量的な解析結果を提供するが、これは、スクリーニングが主となる診療所では、主訴以外の胸部解析情報も得られるため、これまで以上に質の高い診断結果を提供することが可能となり、医療全体の質の向上につながる。
また、中規模・大規模病院においては、定量的なデータによる診断の質の向上に加え、3Dビジュアルデータによるインフォームドコンセントへの活用が期待できる。これまで以上に質の高いコミュニケーションが生まれることで、人々のクオリティオブライフの向上に貢献できる。

シーメンスヘルスケアのAI画像解析ソフトウェア「AI-Rad Companion Chest CT(エーアイ・ラド・コンパニオン・チェスト・シーティー)」
「AI-Rad Companion Chest CT」は、胸部全体のCT画像から肺や心臓、大動脈などの複数部位を一度に解析できるAI画像診断支援ソフトウェアで、ディープラーニング(深層学習)技術を用いて肺結節の検出や測定、大動脈の直径の測定などを自動で行いレポートを生成する。「AI-Rad Companion Chest CT」による主なレポート項目は、肺結節検出、肺実質の計測・表示、心臓容積、冠動脈カルシウム計測、大動脈計測、胸椎骨計測、肺密度計測の7項目。

AI-Rad Companionについて、京都桂病院 放射線科 診断部 部長の山岡利成 医師は、以下のように述べた。
「胸部の主たる臓器の重要チェック項目を一度に解析できることが最大のメリットです。当院では、高齢の悪性腫瘍患者の術前に石灰化スコアリングの計測が実施されることが多いのですが、AI-Rad Companionを用いることで、転移検索目的で実施された胸部単純C Tからある程度の層別化が実施できるため、心電図同期C T検査を省略できる可能性があります。大動脈の計測では、検査ごとに診断医が変わることもあり、測定部位や測定方向の再現性には限界がありますが、自動的にセグメンテーションし、規定の部位で測定されることで、再現性の高い結果が得られ、より正確な経過観察ができると期待されます。肺結節の測定、気腫の定量評価、胸椎測定については、検診領域での活用が期待されます。CT肺がんドックを実施されている施設であれば、他施設との差別化を図る上で、解析項目の多い本ソフトは非常に魅力的です。解析結果が3D画像で表示される点も、結果説明をわかりやすく受検者に伝える上で大きなメリットです」

問い合わせ先=シーメンスヘルスケア コミュニケーション部 
TEL:080-1378-7085
E-mail:takumi.katsuya@siemens-healthineers.com

問い合わせ先=コニカミノルタジャパン ヘルスケアカンパニー
TEL:03-6324-1080


その他の記事

岡山大学病院と両備システムズ/国内初となる胆道がんをAIで診断支援するシステムを開発(24.7.25)

国立大学法人岡山大学 岡山大学病院(以下 岡山大学病院)消化器内科の佐藤 亮介医員(大学院医歯薬学総合研究科 博士課程3年)、光学医療診療部の松本 和幸講師(消化器内科、研究責任者)、同大学術研究院医歯薬学域(医)の河原 祥朗教授(実践地域内視鏡学講座、研究責任者)、同学域の大塚 基之教授(消化器・肝臓…

コニカミノルタ/黄疸測定技術の強化による新生児医療への貢献を目的に ノルウェーのPicterus社と連携を開始(24.7.25)

コニカミノルタ(本社:東京都千代田区)は、新生児黄疸の測定技術を強化し、新生児医療へより一層貢献していくことを目的として、スマートフォンを使用した独自の黄疸スクリーニングソリューションを提供するPicterus AS(本社:ノルウェー、以下 Picterus社)と連携を開始する。 コニカミノルタは、1980年に世界で初…

富士フイルム/健診センター「NURA(ニューラ)」の新拠点がウランバートルにオープン。モンゴル国での健康診断サービス事業をさらに拡大(24.7.24)

富士フイルム(本社:東京都港区)は、8月1日、モンゴル国のウランバートルに、がん検診を中心とした健診センター「NURA(ニューラ)」の新拠点がオープンすることを発表した。新拠点は、モンゴル国における2拠点目として、同国の複合企業「Tavan Bogd Group(タバンボグドグループ)」が運営する。インドで「NURA」を展開…

第28回医療情報学会春季学術大会/令和6年度診療情報改定の加算内容を議論(24.7.22)

6月13日~15日の3日間、「第28回医療情報学会春季学術大会シンポジウム2024」が「かずさアカデミアパーク」(千葉・木更津市)で開催された。大会長は鈴木隆弘氏(千葉大学医学部附属病院企画情報部)で、テーマは「情報をつなぐ ~ゲノムから社会まで~」。 開会式直後には、緊急企画として「医療DX推進体制整備加算・…

ウィーメックス とOKI/リアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」の保守で提携(24.7.19)

PHCホールディングス傘下のウィーメックス(東京都渋谷区)とOKIグループでICTシステムや電気設備の設計・構築・保守・運用・カスタマーサポート運営などの事業を展開するOKIクロステック(東京都中央区、以下OXT)は、ウィーメックスが提供するリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH(テラドック・ヘルス)」…

オリンパス/胃・大腸がん検診と内視鏡検査に関する意識調査を実施(24.7.12)

オリンパスは、全都道府県別の 40~60 代男女計 14,100 人を対象とした、「胃・大腸がん検診と内視鏡検査に関する意識調査白書 2024」を発行した。本調査は、「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」を目指すオリンパスが、社会貢献活動の一環として、がん検診および内視鏡検査について、一般市民に理解を深めてもら…

島津製作所/高度専門人財を認定するオープンバッジを導入 社員の専門性獲得を支援(24.7.12)

島津製作所は、7月から同社の成長に必要となる高度な国家資格や社内資格を認定するデジタル証明書「オープンバッジ」を導入する。保有する資格・スキルの可視化によって、社員の学習意欲の向上とキャリア形成を支援する。 オープンバッジとは、知識・スキルのデジタル証明である。ブロックチェーン技術により偽造・改ざ…

シーメンス/EcoVadis Sustainability Rating 2024でプラチナメダルを受賞(24.7.12)

シーメンスは最新のEcoVadis Sustainability Ratingで80ポイントを獲得し、最高の評価であるプラチナメダルを受賞した。 このスコアにより、このテクノロジー企業は、ビジネスのサステナビリティ評価の大手プロバイダーであるEcoVadisが世界中で評価した約73,000社のうち上位1パーセントにランクされている。 2021 年以…

インターシステムズ/医療安全と医療従事者の働き方改革を支援する 「医療デバイスモニタリングソリューション」を開発(24.7.9)

インターシステムズジャパンは、医療向けデータプラットフォーム製品 InterSystems IRIS for Healthを基盤に、医療安全と医療従事者の働き方改革を支援する「医療デバイスモニタリングソリューション」を開発し、2024年7月10日(水)~12日(金)に東京ビッグサイトにて開催される「国際モダンホスピタルショウ2024」に参考出…

エレクタ/放射線治療のさらなる発展と人材育成を目指し、 帝京大学医学部附属病院と「パートナーシップ包括契約」を締結(24.7.9)

帝京大学医学部附属病院(東京都板橋区)とエレクタ(東京都港区)は、放射線治療のさらなる発展と人材育成を目的とした「パートナーシップ包括契約」を締結した。 日本では人口の高齢化などにより、がんに罹患される方が増え続けている。2023 年のがん罹患者数は約 103 万人で、日本人の 2 人に 1 人が一生のうちにが…

アライドテレシスとBBバックボーン/利便性と安全性の高い医療機関向け統合ネットワークの実現に向けて協業~高品質な音声通話の提供を強化(24.7.8)

アライドテレシス(本社 東京都品川区)とビー・ビー・バックボーン(本社 東京都港区、以下「BBバックボーン」)は、医療における利便性と安全性の高い統合ネットワークと音声通話を強化したネットワークの提供を目指し、協業を開始した。医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に向けて、データ通信にアライ…

島津製作所/走査型電子顕微鏡大手のTESCAN社と業務提携 今秋に同社製品を日本国内で発売へ(24.7.8)

島津製作所は走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、以下SEM)大手メーカーであるチェコ共和国のTESCAN GROUP, a.s.(以下TESCAN社)と業務提携契約を結んだ。同社の主力である分析計測製品のラインアップにTESCAN社のSEMを加え、今秋に日本国内で発売を開始し、既存製品とのシナジーを創出していく。 TESCA…

キヤノン/小型テラヘルツデバイスに関する論文が マイクロ波分野に関する世界有数の国際学会から最優秀論文賞を受賞(24.7.4)

キヤノンは、マイクロ波分野に関する世界有数の国際学会である IEEE MTT-Sが出版するテラヘルツ波の専門誌 『IEEE Transactions on Terahertz Science and Technology』において、日本企業として初めて最優秀論文賞(Best Paper Award)を受賞した。この賞は、ラジオ波・マイクロ波などの高周波電波の分野において技術的…

富士通/新規開業医や新規に電子カルテを導入する診療所向けに新たなクラウド型電子カルテサービス「HOPE LifeMark-TX Simple type」を提供開始(24.7.1)

富士通Japanは、医療データの利活用により診療所のDXを加速するため、診療所向けに、同社が提供する国内市場でトップシェアの電子カルテシステムと医事会計システムを統合したクラウド型電子カルテサービス「HOPE LifeMark-TX Simple type」を7月1日より提供開始する。 同サービスは、新規開業医や新たに電子カルテ導入…

富士フイルム/がん検診を中心とした健診センター「NURA(ニューラ)」をベトナムに展開(24.7.1)

 富士フイルム(本社:東京都港区)は、がん検診を中心とした健診センター「NURA(ニューラ)」をベトナムに展開する。新拠点は、東南アジア地域での「NURA」初拠点として、7月1日にベトナムのハノイにオープンする。ベトナムで医療機関「T-Matsuoka Medical Center」を展開する「VIETNAM JAPAN HEALTH TECHNOLOGY …

TOPへ