富士フイルムメディカル/統合診療支援プラットフォームに既読管理ソリューションを追加

 富士フイルムメディカルは、病院内の各診療システムで管理されている、検査画像、バイタル情報、処方などの診療データを1つに集約・表示する統合診療支援プラットフォーム「CITA Clinical Finder(シータ クリニカル ファインダー)」に新たに画像診断レポートの読・未読を管理する既読管理ソリューションを追加した新バージョン(統合診療支援プラットフォーム「CITA Clinical Finder バージョン2.1」)の提供を開始した。
近年、画像診断レポートの未読や診断結果の見落としが報告されており、画像診断報告書等の確認不足に関する医療安全対策について、厚生労働省から昨年11 月と今年6 月に注意喚起の通知が出たことを受け、医療機関それぞれが、画像診断レポートの見落としを防ぐ仕組み作りを進めている。「CITA Clinical Finder」は、患者の診療情報や診療プロセスの全体像を迅速に把握可能としチーム医療をサポートするシステムとして、2015 年の4 月に発売されたが、検査画像や所見レポートなどの患者の診療情報を一覧表示する「統合診療支援ポータル」機能や、任意の患者を一覧に表示して患者属性や診療文書・同意書の有無や検査の実施状況などの診療情報を表示し、ケアプロセスを可視化する「クリニカルフロー」機能など、情報を目的に応じて自由に活用できるシステムとなっている。
 今回バージョンアップにあたり新たに追加された画像診断レポートの既読管理ソリューションは、診療における様々なシーンでレポートの既読・未読管理をサポートする機能であり、クリニカルフローに未読アイコン表示をすることで、医師は自分の受け持つ患者を一覧表示し、検査レポートの未読・既読を一括で把握できるようになった。
 また、電子カルテにログインした際、未読レポートがあればCITA を立ち上げなくてもアラートを表示する電子カルテとの連携機能や、レポートの既読管理をする医療情報部等の管理者向けに、未読レポートを一覧表示する機能も搭載しており、主治医を中心に多職種協働でレポートの未読・既読管理を行える。
<特長>
1.放射線・生理・内視鏡・病理など各種検査を統合に管理可能
▽RIS や病理システムなど単独の部門システムでは実現できない、検査を横断した統合的な既読管理を実現
2.患者単位の管理だけではなく、複数患者をまたいだ一括管理が可能
▽クリニカルフローや管理者用画面で自分の受け持ち患者等の未読状況を一覧でき、効率的な既読管理を実現
3.CITA クリニカルフロー上に未読アイコンを表示
▽CITA クリニカルフロー上にレポートの未読アイコンを表示。主治医が受け持つ患者一覧を閲覧することで放射線や内視鏡、病理、エコーなどの検査レポートの既読・未読を一括で把握することができる
4.タイムライン上に未読アイコンを表示
▽患者個人の経時的な情報を参照できるタイムラインへも、検査エリアに未読アイコンが表示され、一人の患者が複数の検査を受けている際の見落とし防止をサポート
5.通知機能でCITA にログインせずとも未読状況を把握可能
▽電子カルテにログインした際、未読レポートがあれば、CITA が立ち上がっていなくてもアラートを画面中に表示し、レポートの改版があった場合も改版通知を表示
6.部門システム側での既読管理と連携可能
▽部門システム側で既読操作を行った際に情報連携し、CITA側での一元管理が可能
7.管理者用ワークリストで未読を管理し、データ出力も可能
▽マネジメント層の医師や医療情報部など、レポートの既読管理を行う管理者が院内もしくは自部門内の未読レポートの有無を一覧で把握することができ、データの出力も可能


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