第43回日本Mテクノロジー学会/「IoT時代のデータマネジメント」をテーマに議論を展開

 第43回日本Mテクノロジー学会が、8月26~27日にキャンパスイノベーションセンター東京(東京・港区)で開催された。大会長は植松裕史氏(インターシステムズジャパン)、プログラム委員長は木村映善氏(愛媛大)が務めた。テーマは「IoT時代のデータマネジメント」。
 同学会は、ISO(国際規格)およびJIS(日本工業規格)で制定されているコンピュータ言語でデータベース言語のM言語についての利用応用・利用技術・アプリケーション・教育などを考えるために設立されたもので、最新情報・利用応用・利用技術・アプリケーション・教育・ユーティリティ・国際動向などの情報を収集し、会員に提供している。また、次期バージョンの規格の検討を行い、米国でのM言語の規格策定委員会 (MDC)にも参加するなど、国際的な活動も行っている。
 初日である8月26日、大会長である植松氏の挨拶の後、基調講演として、中川友紀子氏(アールティ)による「ロボット技術とAI~センサー社会がもたらすもの」、教育講演として、Atsushi Inoue氏(イースタンワシントン大)による「アメリカのオープンソース電子カルテとIoT」が行われた。Inoue氏は、オバマケアによる米国での飛躍的な電子カルテ普及と、そのシステムがどのような内容のものかについて解説した。
 午後には大会長企画である「IoT Industry」が行われ、先進のIoT技術と現況について堀田鋭二郎氏(デル)、笠倉英知氏(インテル)、佐藤比呂志氏(インターシステムズジャパン)の3氏が、各々の企業が推進するIoT時代に向けたソリューションなどの先端技術を紹介した。
 プログラム委員長企画セッション『IoT時代の医療分野のSOAとは』では、プログラム委員長の木村氏をはじめ、下川忠弘氏(京都民医連中央病院)、島川龍載氏(広島赤十字・原爆病院)、飯田征昌氏(名古屋市立大)、山本康仁氏(都立広尾病院)の5氏が講演した。
 下川氏は、「地域包括ケアを支えるESB/SOA基盤~院内連携基盤と地域の融合に関する一提案」と題して講演。ワークフローにITを組み込むことが地域包括ケアシステムの必須要件であると、自身のこれまでの経験を踏まえながら訴えた。
 島川氏は、「ビジネスルールアプローチによる抗菌薬使用届出の事前チェック機能の開発」と題して講演。広島赤十字・原爆病院における統合プラットフォームの構築について説明。同プラットフォームの活用事例としての院内システム開発について説明した。
 飯田氏は、「IoTデバイス活用に向けたSOA基盤・電子カルテシステムにおける連携手法とその実践」と題して講演。診療記録におけるIoTデバイス活用法を定義づけた。
 山本氏は、「SOAのためのESBの拡張」と題して講演。都立広尾病院が構築したHiPER2.0によるリアルタイムDWH機能およびメッセージプロセス機能を紹介。今後は、IoT技術など最新技術を取り込むような医療情報システムが、医療を取り巻く環境変化を乗り越えるために必要であると述べた。
 最後に木村氏は、「Stream Computingを医療情報システムに導入する試み」と題して講演。木村氏は、リアルタイムで医療情報を処理するアーキテクチャを検討。医療分野では、他分野で検討されているようなIoT関連技術は採用途上であり、“どこに”“なにを”というセマンティクスを標準化することが肝要であると述べた。
 2日目は、土屋喬義氏(土屋小児科病院)による学会長講演と一般口演7題、そして植松氏による大会長講演が行われた。
 植松氏は、『技術進化と未来』を演題に講演。まず、世界の変化を考える際のキーワードとなるイノベーションを「単なる技術革新ではなく、社会的活性を持つものだ」と定義づけ、コンピュータの変遷、ポケモンGO等の拡張現実技術に当てはめ解説した。IoT時代の到来について、「データは集める必要はなく際限なく、そして猛スピードで集まってくる。そして、それに対応するアプローチたる技術が求められている。これは、完全に新しい時代の到来であり、我々も技術を磨いていかなければならない。ダーウィンが“唯一生き残るのは変化に適応できる者である”と唱えているとおりである」と述べ、今後の取り組みを示した。


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