米盛病院&シーメンスヘルスケア/高度な医療提供により地域貢献目指すパートナーシップ締結(24.11.27)

米盛病院&シーメンスヘルスケア/高度な医療提供により地域貢献目指すパートナーシップ締結(24.11.27)

社会医療法人緑泉会とシーメンスヘルスケアは11月12日、緑泉会 米盛病院 米盛ラーニングセンター(鹿児島市)にて合同記者発表会を開催し、両者が高度な医療提供による地域への貢献を目指し14年間のパートナーシップを締結したことを発表した。
 冒頭、シーメンスヘルスケア代表取締役の櫻井悟郎氏が登壇し、「シーメンスヘルスケアにおけるパートナーシップの取り組みと、緑泉会様とのパートナーシップのご紹介」を表題に、まず、Siemens Healthineersの概要と同社が進めてきたイノベーションの歴史を紹介した後、同社が提供する医療機器インフラ提供型サービス(MES)を次のように解説した。「病院が資産を保有するのではなく、当社が資産を提供して施設はその利用料を支払うサービスで、施設側には資金計画を立てやすいといったメリットがある」とし、「14年間、MESを提供しながら、米盛病院と共に診断・治療ワークフローの改善や時機に適った最新の医療機器を提供し、同院が地域医療に貢献できるよう支援していきたい」と両者の展望を語り、次いで、同パートナーシップによって導入される同社の医療機器とそのロードマップを紹介した。

櫻井悟郎氏

 なお、櫻井氏の発言中にSiemens Healthineersドイツ本社のEnterprise Services Global HeadであるJoao Seabra Ferreira Pinto氏がコメントを挟み、「米盛病院は日本初のESグローバル・リファレンスサイト*として登録する予定である。14年間のバリューパートナーシップとリファレンスサイトとしての活動を通じ、病院経営に関するソリューション、経験などを積極的に投入して、ワークフローや臨床的なアウトカムの向上に取り組んでいきたい」とパートナーシップ活動に向けた抱負を述べた。

Joao Seabra Ferreira Pinto氏

医療課題解決への強力な一助と期待

 次いで「緑泉会及び米盛病院の救命救急医療・地域医療の取り組みと、今回のパートナーシップにかける思いについて」を表題に緑泉会 米盛病院 理事長・院長の米盛公治氏が解説した。まず、同院の概要と診療実績を説明。同氏は、ハイブリッドERや民間救急ヘリ「Red Wing」を運用して年間6500件以上の救急患者受け入れていること、2024年8月には救命救急センターの指定を受けることなど、同院の救急医療での実績を紹介。さらに、急性期医療を担う病院として年間6000件を超える手術件数及び、その内4600件以上が整形外科での実績であることを述べ、同院が整形領域に強い施設であり、また、それ以外の領域でも高度な医療を提供している点を訴えた。その後、パートナーシップ締結については「進行する高齢化による救急搬送件数の増加、加速する少子化がもたらす働き手不足への対応と職員のワーク・ライフ・バランスの実現という医療課題を解決する強力な一助になると考えた」と経緯を説明。さらに「医療機器のリーディングカンパニーであるシーメンスの技術・ノウハウを活用しての高度医療の提供や患者さんの治療環境の改善、スタッフの業務効率の向上や働きやすい職場環境の実現など、一層の医療の質の向上による更なる地域医療への貢献を期待している」とパートナーシップへの期待を語った。

米盛公治氏

「CIARTIC Move」を高く評価

 次に「先進機器の提案によるシーメンスヘルスケアの貢献について」を表題に、同社 アドバンストセラピー事業本部 事業本部長の荒川泰一郎氏が解説。同パートナーシップによって導入される医療機器のうち、特に日本稼働第1号機として8月に導入されたモバイルCアーム装置「CIARTIC Move(シアティックムーブ)」に言及し、その特徴と有用性を説明。「同装置は、あらゆる方向に浮遊するような動きを可能にするホロノミックホイールを装備し、パワーアシスト機能と相俟って装置を容易に動かすことができるほか、ポジションアシスト機能など、術中の撮影時間を短縮する機能を搭載していることで、手術室スタッフの負荷を軽減し、検査に必要な時間や手間、人員を効果的に削減できる」と説いた。

荒川泰一郎氏

なお、同氏の説明中に、Siemens Healthineers本社のClinical Segment Surgery Global HeadであるPeter Seitz氏が登壇し、「『CIARTIC Move』は手術室で優位性を発揮する様々なテクノロジーや性能を搭載している。米盛病院から、同装置による実績や知見を世界に発信してほしい」とコメントした。

Peter Seitz氏

 最後に、同院副院長の鈴木 勝氏が「自走式外科用モバイルCアームイメージングシステム『CIARTIC Move』導入後の感想と今後の期待について」を解説した。同氏は、同装置のポジションアシスト機能を「アーム位置を記憶できるので位置合わせのための透視回数が減り、職業被ばくが低減する他、画像の再現性が高いので診療放射線技師の熟練度に関係なく良質な画像を得られることができるのが高く評価できる。また、アームの周囲にケーブルがなく、干渉センサーを搭載しているので、安心・安全な操作も可能だ」と同装置の有用性を示した。自走式の優位性についても触れ、「どの手術室でも運用でき、手術室のフレキシブルな運用が可能な点にも期待している」と同装置への思いを語った。

鈴木 勝氏

*ESグローバル・リファレントサイト:シーメンスとバリューパートナーシップを契約中で、病院経営に関する様々な経験や知見を積極的に発信したい意向を持つ施設が登録。2024年10月現在、6 ヵ国8施設が登録中。


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