キヤノン 画論 33rd The Best Imageレポート(26.1.21)
キヤノンメディカルシステムズは2025年12月14日、「画論33rd The Best Image」を東京国際フォーラム(東京・千代田区)で開催した。今回も最終審査プレゼンテーション及び最終審査発表式等の様子は、対面形式とオンライン中継によるハイブリッド形式での開催となった。今回の応募総数はCT、MR、超音波の3部門合計で403件で、同日に上位入選施設40件による最終審査プレゼンテーション及び審査が行われ、特別講演の後に、上記3部門の上位入賞画像の発表が行われた。
CT国内導入50年を記念して“レジェンド”がCT草創期を語る
プレゼンテーション及び最終審査後は、発表式に先立ち、特別講演「CT国内導入50年を迎えて」が行われ、著名な2人の放射線科医による講演が行われた。初めに、森山紀之氏(進興会理事長)が「CT開発の歴史とCT検診の発展に向けて」と題して講演。次に、片田和広氏(藤田医科大学 名誉教授)が「CT温故知新」と題した講演を行った。
森山氏は、CT国内導入時期の技術的課題について説明した後、同氏が国立がんセンター(当時)在籍時に経験した全身用CT開発プロジェクトの様子を語った。ヘリカルスキャンの開発については「当時、東芝(註:キヤノンメディカルシステムズの前身)のスタッフからは猛反対を受けたが、同社の技師長、牧野純夫氏の後押しもあり開発を続けられた」と当時を振り返りながら、ヘリカルCTの開発がもたらした業務の効率化や、臨床応用への拡大などを解説。今後のCTの展望については、検診への応用と課題、より高精細な画像を描出するCT技術の開発に期待を寄せた。
片田氏は、「50年の歴史を25分で話せと言われても無理だから、CT導入初期を集中的にみていく」と場内の笑いを誘い、まず、CT技術の本質と発展の過程を説明。初期CTは、スライスが厚いと病変が見えなくなったりコントラストが悪化してしまうPartial Volume Effectを如何に抑えるかが当時の主要な課題だったと振り返り、「発達史から判るCTの本質とは“X線吸収係数の良質な三次元分布を得ること”にあった」と指摘した。そして、その後のCT技術の革新について、具体的な説明を行った。
最後に片田氏は、今後のCT技術の発展について、フォトンカウンティング技術の活用や全身一回転撮影の実現、マイクロスコピーレベルの解像度達成などに加えて、被ばく線量のさらなる低減やAI診断システムの統合化についても期待を寄せ、講演を終えた。
閉会に際して、瀧口登志夫社長が挨拶し、「2025年はCTが国内に導入されて50年、また、X線が発見されてから130年という節目の年に当たる。特別講演のとおり、先生方の指導の下、さまざまなイノベーションを起こし、臨床に役立つ技術や製品を世に送り出してきた。今後はCTに限らず、超音波やMRIなどについても、この画論を通じて、引き続き貢献していきたい。折しも2025年にはマルチポジションCTを発表した。今後はAI技術をさらに活用し、患者負担軽減と高精細画像の提供による医療の効率化・高度化への貢献を目指す」と述べ、イベントを締めくくった。
なお、「画論33rd」の様子は、2025年12月25日より2026年3月31日まで、オンデマンド配信を実施している。また、次回の「画論 34th The Best Image」は、2026年12月13日(日)に開催の予定である。
◆『画論33rd The Best Image』入賞施設
≪CT部門≫
◎1~160列部門【最優秀賞】千葉県済生会習志野病院 【テクニカル賞】鳥取県立厚生病院
◎1~160列(心血管)部門【優秀賞】福岡リハビリテーション病院
◎Aquilion ONE部門【最優秀賞】杏林大学医学部付属病院 【テクニカル賞】杏林大学医学部付属病院/自治医科大学附属さいたま医療センター 【優秀賞】市立福知山市民病院/日本赤十字社さいたま赤十字病院/尾道市立市民病院
◎Aquilion ONE(心血管)部門【最優秀賞】厚生会 仙台厚生病院 【テクニカル賞】愛知医科大学病院
【優秀賞】大阪母子医療センター/諏訪赤十字病院/厚生会 仙台厚生病院
◎Aquilion Precision部門【最優秀賞】藤田医科大学病院 【テクニカル賞】日本海員掖済会 小樽掖済会病院
≪MR部門≫
◎1.5テスラ以下(脳神経)部門【最優秀賞】藤田医科大学ばんたね病院 【優秀賞】医敬会 わかば画像診断クリニック
◎1.5テスラ以下部門【最優秀賞】千葉県済生会習志野病院 【テクニカル賞】千葉県済生会習志野病院
【優秀賞】ふじさわ北整形外科/秀友会 札幌秀友会病院/顕正会 蓮田病院
◎3テスラ(脳神経)部門【最優秀賞】藤田医科大学ばんたね病院 【テクニカル賞】名古屋大学医学部附属病院
◎3テスラ部門【最優秀賞】東京大学医学部附属病院 【テクニカル賞】済生会熊本病院 【優秀賞】神戸大学医学部附属病院 【Clinical Update賞】いせき脳神経外科クリニック/KKR札幌医療センター
≪超音波部門≫
◎血管部門【最優秀賞】藤田医科大学病院【優秀賞】東邦大学医療センター大橋病院/淀川キリスト教病院
◎心臓部門【最優秀賞】北海道大学・北海道大学病院 【優秀賞】平成会 八戸平和病院/松和会 池上総合病院
◎腹部部門【最優秀賞】岩手医科大学附属内丸メディカルセンター 【優秀賞】山口大学大学院医学系研究科/浜松医科大学医学部附属病院
◎乳腺・甲状腺・表在部門【優秀賞】奈良県立医科大学附属病院/相模原ブレストクリニック
