フィリップス・ジャパン/災害時医療に関する プレスセミナーを開催(25.10.8)

 フィリップス・ジャパン(本社:東京都港区、以下 フィリップス)は、「PhilipsFuture Health Index 2025 日本版」(以下、FHI2025)の発行を記念し、2025 年9月30 日(火)に麻布台本社にて、災害時医療に関するプレスセミナー「災害時にも止まらない医療を」を、オランダ王国大使館と一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の後援のもと開催した。
 近年、日本では大地震や洪水等様々な自然災害が頻発しており、政府は2026年の防災庁設置に向けた準備を進めている。自然災害の発生を考慮した、災害時医療への備えと、医療機関のBCP 計画の再構築は喫緊の課題となっている。今回のセミナーではこうした現状を踏まえ、災害時医療に携わる専門家、医療関係者を招いて、具体的な取り組み事例を交えながら、災害時医療に必要な医療機器の整備とその推進課題について討議した。

⚫ 開会の挨拶 / Future Health Index 2025 ダイジェスト
 同社の代表取締役社長CEO ジャスパー・アスエラス・ウェステリンク氏からは、開会の挨拶としてフィリップスの理念や事業領域、今後の展望について紹介したのち、世界規模での調査レポートであるFHI2025 の内容について説明した。
 FHI2025 では、国内の医療現場において未だAI・テクノロジーに関する受容度が低いという現状が示されている。また、医療従事者~患者間では認識に大きなギャップがあり、医療従事者はAI の活用に比較的前向きである一方、患者目線ではその活用に対して懐疑的であり、受け入れに慎重であることが明らかになった。その一方で、医師を通じてしっかりと説明を受けた場合には84%の患者がポジティブに受容するという結果も得られた。
 ジャスパー氏はこうした内容をもとに、医療現場でのテクノロジー活用に対し相互理解を深めることが重要である旨を提言し、フィリップスの使命としてAI で日本の医療の未来を繋ぎ、リーディングヘルスケアカンパニーとして社会に貢献していく姿勢を改めて宣言した。テクノロジーの積極的な活用は医療現場の効率化に貢献し、患者との対話時間増加や予防医療の活性化に繋がることなどに触れながら、AI によって医療の質と効率を両面から高めていくこと、それは単なる技術提供ではなく、社会課題の解決に向けた取り組みであること、そして今回のテーマである災害医療など、非常時にも応用可能な視点であることを提示した。

⚫ パネルディスカッション
 各セッションののち、同社 公共政策部長 岩田 潤氏をモデレーターとし、テーマをより深堀りするかたちでパネルディスカッションが行われた。
 「平時でのネットワークづくり」の話題では、地域での設備共同利用のためにはシステム構築が必要なものの、十分な広まりに至っていないという課題点が植田氏より指摘され、地域で標準化を図り体制を構築していく重要性が示された。また、こうした取り組みにはコストが発生するため、自治体や政府機関の支援が行われる仕組みが望ましい旨が提言された。
 「緊急時の人員確保」の話題では、大都市圏からの外来患者の増大に備えた体制構築の必要性が今後の課題として成瀬氏より提示され、植田氏からは基幹病院の役割を踏まえ、平時に地域医療の関係性を築いておくことが災害時に有利となる旨、また病院だけでなく保健所のサポートも肝要である旨が改めて示された。同社 門原氏は医療機器メーカーとしての観点から、災害時に最も重要なのは医療機器の復旧であり、東日本大震災・熊本地震(2016 年)・能登半島地震(2024 年)での経験を踏まえ、人員派遣のプライオリティを正確につけることの重要性を示した。
 「インフラ・通信手段の確保」の話題では、機器サプライヤーの垣根を超えたサポート体制の必要性が植田氏より提言され、成瀬氏は春日井市において医師会と薬剤師会が薬品投与に関する協定を締結している例をもとに、病院への役割の一極集中を防ぐ仕組みづくりの重要性を提示した。門原氏はインフラの観点から改めてヘリウムフリーMRI「BlueSeal」の特長に触れ、普及に努める旨を説明した。また遠隔での被災地ケアの可能性についても話題が及び、大学病院との連携の必要性などが提言されたほか、岩田氏より同社が医療機器メーカーとして「DX+医療」の中核で貢献していく旨を説明した。

 フィリップスは「Better care for more people」(よりよいケアをより多くの人へ)というビジョンのもと、救える命を一つでも多く救うことを目指し、救護活動の現場からホームケアまでを包括的に支援する製品やソリューションの開発、提供に尽力していく。今後も「災害時にも止まらない医療を」スローガンに、より多くの命を救うことに貢献していく。

【開催概要】
●タイトル:Philips Future Health Index 2025 日本版発行記念
      災害時医療に関するプレスセミナー「災害時にも止まらない医療を」
●後援:オランダ王国大使館・一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)
●日時:2025 年9 月30 日(火)13:00~15:00
●会場:フィリップス・ジャパン 麻布台本社内 サクラパーク
●住所:東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ森JP タワー15 階
●登壇者: フィリップス・ジャパン 代表取締役社長CEO ジャスパー・アスエラス・ウ  
     ェステリンク氏
     フィリップス・ジャパン プレシジョン・ダイアグノシス事業部長門原 寛氏
     日本赤十字社 医療事業推進本部 参事監 兼 事業局 救護・福祉部 主幹     
     植田 信策氏
     春日井市民病院 院長 成瀬 友彦氏

■問い合わせ=
フィリップス・ジャパン ブランド&コミュニケーションズ
press@philips.co.jp

フィリップス・ジャパン広報事務局(プラップジャパン内)
E-mail:philips-corp@prap.co.jp


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