GEヘルスケア・ジャパン/INTELLIGENTLY EFFICIENT(医療の質と効率の改善)

GEヘルスケア・ジャパン/INTELLIGENTLY EFFICIENT(医療の質と効率の改善)

https://www.gehealthcare.co.jp

予防から診断、治療、経過観察・予後管理までをカバーする“プレシジョン・ヘルス”の実現を目指すGEヘルスケア・ジャパン(以下、GE)は、「INTELLIGENTLY EFFICIENT」をテーマに、画像診断装置やデータ分析・ソフトウェアサービスなどをITEM2021に展示した。コーポレートカラーのブルーとホワイトで彩ったブースは、Magnetic Resonance(磁気共鳴断層撮影装置)、Surgery(Cアーム多目的X線撮影装置)、Interventional(血管撮影装置/心臓カテーテル検査用装置)、Ultrasound(汎用超音波画像診断装置)、Molecular Imaging(核医学診断用装置PET/CT)、Women’s Health(マンモグラフィ撮影装置/骨密度測定装置/乳房用超音波画像診断装置)、Edison Digital Solutions(ヘルスケアデジタル/線量管理ソリューション/病院運営支援ソリューション)、Computed Tomography(コンピュータ断層診断装置)というエリアに分けて構成した。

●MRI装置「SIGNA Voyager 1.5T」
今回の展示には実機を展示せず、映像にてMRI装置の新技術等の解説を行った。
「SIGNA Voyager 1.5T」は、0.33ppmの高い磁場均一性を有する新型IPMマグネットや解放性と機能的フォルムを両立した新型ガントリ、次世代デジタル技術「Total Digital Imaging」、ハイブリッドテクノロジー「Intelligent Gradient Control」、新型Wide eXpress Table、先進アプリケーションのMR29.1プラットフォームなどを組み込んだ最新型の1.5T装置。映像では、患者負担の低減や検査ワークフローの効率化、イメージクオリティの向上を果たすディープラーニング採用の「AIRIQ Edition」などが紹介されていた。中でもMRI画像再構成技術「AIR Recon DL」などによって画像のノイズを低減して鮮明度を向上させ、合わせて自動位置決め機能の「AIR X」も組み込んだ「AIRIQ Edition」は、2021年4月に販売を開始したばかりの最新プラットフォームだけに、来場者の関心は非常に高かった。

●【新製品】外科用X線撮影装置「OEC 3D」「OEC One」
2021年4月20日に国内発表され、販売を開始した3D撮影対応の「OEC 3D」の実機を、ITEMブースで先行展示した。「OEC 3D」は装置アーム部にカーボンファイバーを採用し強度と軽量化を確保したことで、ポジショニング時の取り回しの良さを実現。ガイド付きのタッチ操作により、スムーズな3D撮影が行える。「OEC 3D」は整形領域での活用に適しているが、
3D専用ではなく各領域に特化したアプリケーションを搭載しているため、血管外科、脳神経外科、泌尿器科等、幅広い手術手技への適用が可能となっている。
また、「OEC 3D」の横には、Cアームの中にモニターを一体化したオールインワンタイプの「OEC One」の実機が、ゲティンゲの手術台との組み合わせで初展示されていた。

●ハイブリッド手術室
GEは2019年2月、同社の自走式X線血管造影装置「Discovery IGS 7 OR」とゲティンゲの手術台システム「マッケ マグナス手術台」を組み合わせたハイブリッド手術室の販売を開始したが、ITEM2021では同社の辰巳工場にハイブリッド手術室を構築し、来場者がオンラインで手術室のレイアウトなどを検討できるサービスを展開した。なお、「Discovery IGS 7 OR」は、このハイブリッド手術室販売開始当時から、TAVIやステントグラフト専用解析ソフトの採用、撮影条件自動設定へのAI技術の応用などの進化を遂げている。

●アプリケーション「Edison AI Orchestrator」
 近年、GEはAIやBIに対応するブランドとして「Edison」を掲げているが、その最新ソリューションツールとして、今回のでは検査・診断のワークフローにAIアプリケーションを組み込む「Edison AI Orchestrator」を披露した。これを活用することにより、時間と手間を増やすことなく、画像診断支援AIを利用できる環境が整えられる。自社製品だけではなく、提携企業のAIアプリケーションもUniversal Viewer上で使用できることも特徴だ。

●医療情報管理システム「コマンドセンター」
 タイル状の大型画面を使って公開された「コマンドセンター」も、ブースの目玉の1つである。コマンドセンターは、多くの医療施設で課題となっている病床稼働管理および入退院フローの最適化を図り、病院における医療の質の向上を支援する新システム。電子カルテや病床の状況など各種院内情報システムに紐づくデータをリアルタイムで分析・可視化し、患者へのケアに必要なリソースを効率的に配分して、必要なケアをタイムリーに提供するための意思決定を促す中央集中管制塔としての役割を果たす。システム自体はデータの統合分析サーバと複数のタイル(Tile)と呼ぶアプリケーションで構成され、このタイルを通じて病床管理・入退院支援に必要となる院内データを分析・可視化し、ケア需要の予測、施設間の移動、ケアの進行、退院計画など、刻一刻と変化する患者の状況をタイムリーに捕捉することで、医療従事者の高品質かつスピーディなケアを実現する仕組みだ。また、タイルの数や種類は、施設の規模やニーズに即して変更できるモジュール形式で構築している。
海外では米国のジョンズ・ホプキンス大学病院で世界初の試みとして2016年に導入されて以来、2021年3月現在までに米国をはじめ世界16ヵ所で稼働中。日本でも草津総合病院にて2020年より導入が検討され、約半年間の実証を経て本年4月1日より全8タイルで稼働を開始している。


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