United Imaging Healthcare/「Passion for change」のコンセプト同様に大胆に展示

United Imaging Healthcare/「Passion for change」のコンセプト同様に大胆に展示

https://ja.united-imaging.com/

 United Imaging Healthcareは、2011年に中国・上海で設立された医療機器メーカー。わずか10年あまりで、北米、欧州、中東、アフリカにも事業所を置くなど、瞬く間に世界的な医療機器メーカーに急成長を遂げている。2020年1月には日本法人を設立し、本格的に日本市場に参入。病院や大学などとの共同開発にも積極的な動きを見せる。今回のITEMではブランドコンセプト“Passion for Change”を掲げ、展示場ほぼ中央位置に大メーカー&ベンダに次ぐ広い白ベースのブースを設け、左にuMR OMEGA、右にuCT 960+のモックアップを通路に飛び出させるかのように展示して、来場者からの関心を集めていた。

●uMR OMEGA

ハイエンドクラスの3T MRIである。従来装置にAI技術を利用したuAIFIテクノロジープラットフォームを新たに導入したのが大きな特長だ。  
画像再構成技術として、圧縮センシングにAIを組み込んだ“ACS(AI-Assisted Compressed Sensing)”並びにAIを搭載した画像再構成法DeepReconを採用しており、その結果、短時間で高画質の画像が収集できるようになったことに加え、自動で撮影をプランニングしてくれる機能も有する。  磁場の均一性の良さが特徴で、これまで2回に分けて撮影しなければならなかった広範囲の部位を1回で撮影できるなどメリットが生まれている。  また、ガントリ開口径75cmというワイドボア設計とした他、被検者の動きをモニターするミリ波レーダーを搭載することで特別なデバイスを必要とすることなく安定した検査が可能になっている。
さらに、被検者の心理的な負担を軽減するスターライトシステムや、快適性を高める柔らかい毛布のようなスーパーフレックスコイルを採用(写真)。被検者の快適性が向上するだけでなく、オペレーターにとっても優しい機種になっている。

取材に対応してくれたマーケティング&ビジネス部 鍛冶翼シニアマネージャーは、「キーワードは、シンプリシティです。その言葉どおり、容易に高品質な画像を得られるようにすることです。技術の一つ一つがそこに収斂されています」と述べた。

●uCT 960+
同社のフラッグシップCTがuCT 960+である。0.25秒/回転の高速SCANが可能であり、カバレッジ16cmを640スライスで撮影する。つまりエリアディテクタの搭載である。なお、ガントリのボアサイズは82㎝と極めて大きく、同機のキーテクノロジーとなるのはやはりAIである。最適心位相を選別するCardioXphase、冠動脈モーションアーチファクト低減技術CardioCaptureにより、高い実効時間分解能を得ており、その他、CardioAssist、CardioAdaptといった心臓CT検査に特化した様々なソフトウェアを搭載することにより、高心拍や不整脈の被検者の検査でも1スキャン、1心拍で心臓の撮影が可能となっている。さらにコロナリーの動き補正にもAI技術が使われている。
United Imaging HealthcareのCTは、uCT 960+のほか、施設のニーズに応じ最適な機種が用意されている。

●uAI  
実は、今回のショーのメインテーマはAIなのだ、と前出の鍛冶翼シニアマネージャーは述べた。「私どもが持つ一番大きなソリューションはAIではないかと考えています。中国企業だけあって、AIに関しては膨大なデータを持っていますしノウハウもあります。実はAIの基礎研究に関しては、兄弟会社United Imaging Intelligenceが早くから基礎研究を始めており、またデータを収集して研究開発を行っているのですが、当社はそのデータを最新鋭のMRI、CT、MI製品に落とし込んで行くというスタイルを採っています。逆に言えばAIをもとにモデリングを広げていくというイメージです。その特徴は、何といっても開発スピードがダイナミックで、速いということです」

同社は、まだ広く知られているとはいえないが、国内の大学や病院との共同開発に積極的で、また日本人と体形が似ているアジア人のデータを豊富に持っていることは大きなアドバンテージとなりそうだ。


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