富士フイルム /胃がん・食道がんの早期発見をサポートする内視鏡診断支援ソフトウェア「EW10-EG01」について、薬機法に基づく薬事承認を取得

 富士フイルム(本社:東京都港区)は、上部消化管の内視鏡検査時に胃腫瘍性病変や食道扁平上皮癌が疑われる領域をリアルタイムに検出し、胃がん・食道がんの早期発見をサポートする内視鏡診断支援ソフトウェア「EW10-EG01」について、薬機法に基づく医療機器製造販売承認(薬事承認)を取得した。

「EW10-EG01」は、内視鏡診断支援機能「CAD EYE(キャド アイ)」の上部消化管病変検出機能を提供するソフトウェアで、AI技術を活用して開発された、上部消化管領域の内視鏡診断を支援する医療機器として日本で初めて承認されたもの。今回の承認により、「CAD EYE」の対象領域が従来の下部消化管から上部消化管まで広がります。なお、本ソフトウェアは2022年内に発売予定。

主な特長
(1)胃がん・食道扁平上皮癌疑い領域をリアルタイムに検出
内視鏡が食道内に入ると同時に検出支援を開始。食道扁平上皮癌が疑われる領域を検出すると、リアルタイムにモニター上の対象領域を枠(検出ボックス)で囲って表示するとともに、報知音を発する。また胃内でも、胃腫瘍性病変が疑われる領域を検出すると、検出ボックスと報知音を発出。医師に対して視覚・聴覚で注意喚起することによって、医師が画像を解釈し病変を検出することを支援する。

(2)新開発「ランドマークフォトチェッカー」で丁寧な観察を支援
医師は、袋状の臓器である胃の検査では、内視鏡を曲げたり反転させたりしながら、胃の内部にある臨床的な特徴を有する複数の主要部位(ランドマーク)を観察している。その観察をサポートする機能として「ランドマークフォトチェッカー」を新たに開発した。「ランドマークフォトチェッカー」は、胃の内視鏡検査中に静止画像を撮影すると自動的に作動。あらかじめ設定されたランドマークの静止画が撮影されると、モニターに出ている胃のイラストに撮影完了箇所が表示される。本機能により、胃内全体が適切に観察・静止画撮影されているかを医師がより意識・確認しやすくなることが期待される。

(3)医師の負担抑制を考慮し、内視鏡システムと一体化した操作性を追求
食道ではBLI観察およびLCI観察モード時に、胃では白色光およびLCI観察モード時に、病変検出機能が自動で起動。内視鏡側で拡大操作などの追加操作を行わずに、動画の中で本機能を使用することが可能。また、本機能を使用しない時は、スコープスイッチで簡便にOFFにすることができる。さらに、既設の内視鏡モニター上に検出結果を表示するため、「CAD EYE」専用のモニターを設置する必要はなく、検査中の医師の視線移動を抑制する。内視鏡システムとの連携を考慮した設計を施し、日常の検査ワークフローに溶け込む操作感を追求。医師の負担抑制を目指す。

問い合わせ先=富士フイルム メディカルシステム事業部 内視鏡システム部
TEL:03-6447-1164


その他の記事

PHCホールディングス傘下Epredia Holdings Ltd. /がん診断における病理医の作業効率化を目指し、デジタルスライドスキャナ「PANNORAMIC 480」を発売(2023.11.6)

 PHCホールディングス(本社:東京都港区、以下「PHCHD」)傘下で病理事業を展開するEpredia Holdings Ltd. (本社:米国ニューハンプシャー州、以下「Epredia」)は、3DHISTECH Ltd.(本社:ハンガリーブダペスト、以下「3DHISTECH」)が開発した「PANNORAMIC 480」を発売した。Eprediaと3DHISTECH社は、病理検査室向け…

ウィーメックス/一般・療養型病院向け電子カルテシステム「Medicom-CKII」を発売 (2023.10.31)

 PHCホールディングス(本社:東京都港区)傘下のウィーメックス(本社:東京都渋谷区)は、医療従事者の業務効率化に貢献する、一般・療養型中小規模病院向け電子カルテシステム「Medicom-CKII」を発売した。療養型の病院では、長期間入院患者の数に比例して、患者ごとの診療データ量も増加する。 そのため、医療従事…

キヤノン/光干渉断層計“OCT-R1”とデジタル眼底カメラ“CR-10”を発売

 キヤノンは、眼科機器の新製品として、OCT と眼底カメラの機能を有する光干渉断層計“OCT-R1”およびデジタル眼底カメラ“CR-10”を2023 年10 月下旬に発売する。  OCT は、近赤外光を利用して網膜の断層像を撮影する眼科機器で、眼科や健診などで、近年増加している緑内障や加齢黄斑変性など眼の疾患の診断や経過観察に用…

ウィーメックス/リアルタイム遠隔医療システム「Doctor Cart」を新発売

 PHCホールディングス(本社:東京都港区)傘下のウィーメックス(本社:東京都渋谷区)は、日本国内における医療現場のニーズに対応した小型カートタイプのリアルタイム遠隔医療システム「Doctor Cart」を、2023年9月1日より発売する。本製品は、十分な診療スペースの確保が困難な日本の医療現場でも扱いやすいコン…

富士フイルムメディカル/病原体の捕集性能に優れた医療機関向け空気清浄機を富士フイルムとシャープで共同開発し、新発売

 富士フイルムメディカル(本社:東京都港区)は、富士フイルムの抗菌技術「Hydro Ag⁺」により除菌効果が長時間継続するフィルター(以下、「Hydro Ag⁺フィルター」)を搭載した空気清浄機「FU-M1400-W(Hydro Ag⁺医療用菌・ウイルスフィルター搭載モデル)」を、医療機関に向けて4月28日より発売した。本製品は、富士フ…

ユナイテッドイメージングヘルスケア/uMR Omega V 10 をリリース

 United Imaging Healthcare Japan (東京都千代田区、以下ユナイテッドイメージングヘルスケア)は“AI for Imaging”というキーワードをもとに、さまざまな臨床現場や市場ニーズに合わせたAI 技術(uAiFI)を開発し、今回 3T フラッグシップモデルである75cm の開口径を有したuMROmega に取り入れた新バージョンV 10 を発…

ウィーメックス/クラウド環境を活用した診療所向け医事一体型電子カルテシステム「Medicom-HRf Hybrid Cloud」を発売

 ウィーメックス(本社:東京都渋谷区)は、診療所向け医事一体型電子カルテシステム「Medicom-HRf Hybrid Cloud」を発売すると発表した。医療業務の効率化や医療DXへの対応が求められる中、厚生労働省が提唱するデータヘルス集中改革プランへの適応やそれに付随したセキュリティ対策、障害・災害対策用の業務継続計画(B…

GEヘルスケア・ジャパン/AI等の技術を用いた画像診断支援アプリケーションの事前評価・運用ソリューション「Open AI VNA」 を販売開始

  GEヘルスケア・ジャパン(本社:東京都日野市、GEヘルスケア)は、VNAプラットフォーム上で、AI等の技術を用いたマルチベンダーの画像診断支援アプリケーションの導入前評価、運用を効率的に行うためのソリューション「Open AI VNA(オープン エーアイ ヴイエヌエー)」を3月末に発売した。 【背景】 放射線画像…

富士フイルムメディカル/上部消化管用細径処置スコープ「EG-840TP」新発売

 富士フイルムメディカル(本社:東京都港区)は、4色のLED光源搭載の内視鏡システム「ELUXEO(エルクセオ)」用の上部消化管用細径処置スコープ「EG-840TP」を発売した。本スコープは、先端部径7.9mmの細径ながら鉗子口径3.2mm・副送水機能・ハイビジョン画質を実現することで、観察から処置までをサポートするもの。 …

フィリップス・ジャパン/国内初の医療機器承認デジタル病理システムの次世代型ソリューションを販売開始

 フィリップス・ジャパン(本社:東京都港区)は、2023 年1 月1 日から、病理ホールスライド画像診断補助装置「フィリップス インテリサイト パソロジーソリューション」を日本国内にて販売開始した。本製品は、これまでの経験と実績をもとに刷新された次世代型ソリューションであり、病理ホールスライド診断補助装置とし…

エルピクセル/胸部X線画像の読影診断を支援するEIRL Chest Screeningの新モデルを発売

 2023年1月10日、エルピクセル(本社:東京都千代田区)は、胸部X線画像の読影診断を支援するEIRL Chest Screeningについて、新たに3つの異常陰影領域(浸潤影、無気肺、間質性陰影)を検出する機能を追加した新モデルを発売した。  従来のEIRL Chest Screeningは、胸部X線画像から肺結節候補域を検出するEIRL Chest No…

富士通Japan/手術室の稼働率を向上し病院経営を支援する新ソリューションを提供開始

 富士通Japanは、手術室の稼働率を向上し病院経営を支援する新ソリューション「Fujitsu リソース最適化エンジン Assignment Master」(以下、「Assignment Master」)を開発し、300床以上の大中規模病院向けに2022年12月7日より提供開始する。  本ソリューションは、手術室や手術機器、医師や看護師の予定など、手術に…

TOPへ