キヤノンメディカルシステムズ/Made Possible.

キヤノンメディカルシステムズ/Made Possible.

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キヤノンメディカルシステムズ(以下、キヤノン)は、医療を取り巻く環境の変化に対応するために、キヤノンの革新的な技術とソリューションで患者アウトカムの最大化とコスト最適化を目指し、医療における価値向上を目指している。今回は「Made Possible.」をテーマに、ブース中央に「ヘルスケアIT」、左側にDeepLearningを活用した画像再構成・解析への取り組みが進むCTとMRI、PET-CT、そして右側にはUS、X-Ray等のコーナーを設け、来場者を迎えた。

●【新製品】X線TVシステム「Astorex i9」
2021年4月15日、オーバーチューブタイプのキヤノン製装システムとしては15年ぶりに新発売されたX線TVシステム「Astorex i9」を展示。「Astorex i9」は、キヤノンが進める医療現場の医師の声を反映して新しい装置を開発する「Byond」と呼ぶプロジェクトから誕生した。開発のコンセプトは、「現場のニーズに柔軟に対応して機能を発揮する装置」。装置を構成するパーツ(FPD等)は全てキヤノン製となり、デジタル処理系はゼロから設計し直した。また、新機能として、FPDエリアを任意に移動させることで、観察したい視野を確保する「i-fluoro」を搭載。i-Slice(トモシンセシス撮影モード)やi-stitich(長尺撮影モード)をオプション設定するなど、より多目的に装置を活用できる工夫がなされている。

●【新製品】デジタルPET-CT「Cartesion Prime」
「Cartesion Prime」は、PET検出器に半導体を用い、80列CTを備えたハイエンドPET-CT装置として、2019年に販売を開始した。2021年4月12日、画像再構成技術「AiCE」をPET部とCT部に採用したニューバージョンが発売されたが、ITEM2021ではその最新型を実機公開した。会場では担当者から、来場者に対してAiCEで撮影された画像も提示されていた。
また、装置の特長は、装置本体で検出器等を冷やす「空冷式」の採用にもある。水冷式の装置のようにチラー(冷却水循環装置)を必要としないため、「Cartesion Prime」ではチラー本体や配管の費用、メンテナンス費などが不要となる。

●MRI装置「Vantage Centurian」
ディープラーニングを用いて設計されたキヤノンの画像再構成SNR向上技術「Advanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)」は、MRI装置には2019年に初搭載された。以降、1.5T/3Tの各製品へと採用を進め、2020年にMRIフルラインアップへの搭載が完了した。2021年4月現在、AiCE搭載のMRI装置は国内106施設に導入されている。
ITEM2021では、最新の搭載機種であるフラッグシップ装置「Vantage Centurian」の実機を展示。AiCEはコントラストや撮像条件、シーケンス等に依存せずに、どのような撮影にも活用できることが最大の特長であり、診断能の向上や撮像時間短縮を伴う画像高精細化などに貢献する。会場では担当者が携帯するタブレット端末により、撮影画像等でその実績を来場者に紹介していた。

●ヘルスケアITソリューション
 キヤノンのヘルスケアITソリューションの中で、ITEM2021では放射線部支援の製品として、線量管理システム「DOSEXROSS」、画像診断部門情報システム「Rapideye Agent」、放射線治療部門情報システム「Rapideye Agent RT Pro」、画像診断読影支援のための製品として、医用画像処理ワークステーション「Vitrea」、医用画像解析ワークテーション「virtual Place」、Deep Learning搭載医療情報ソリューション「Abierto Reading Support Solution」、データ統合を支援するシステムとして、「Abierto Cockpit」を展示。特に来場者の関心の高かったシステムが「Abierto Reading Support Solution」である。
 「Abierto Reading Support Solution」の原理は、PACSとワークステーションの間に、オートメーションプラットフォームと呼ばれるディープラーニングを使った解析サーバを介することで、読影医にAIの解析も含めて診断性能と効率の面でより高い価値を提供するというもの。AI解析の例を挙げると、「Anatomical Landmark」は、画像を受信した際に、ディープラーニングが画像の中の解剖学的な位置をマーキング(現在、椎間板や肋骨、心尖、肺尖など、全身で300点ほどのマーキングポイントがある)し、これらを位置合わせすることで、過去のCTやMRIなどの画像を自動で提供する機能。これにより、医師の読影準備が手作業よりも劇的に速くなる。

●【新製品】新型コロナウイルスRNA検出試薬搭載医療コンテナ
キヤノンは株式会社Sanseiと協業し、同社の提供するコンテナ医療設備「Medical Containar-Cube」で、キヤノンの「新型コロナウイルスRNA検出試薬LAMPdirect/Genelyzer KIT」及び等温増幅蛍光測定装置により新型コロナの検査が行える新型コロナウイルス検査用コンテナのレンタル開始を、2021年3月30日に発表。ITEM2021会場には、検体検査用と検査ラボ用のコンテナトラック2台で構成される同システムを展示した。同システムで行った検査の結果は、現在はWebを介して被検者個々の携帯電話に直接通知する仕組みになっているが、設定変更により、電子カルテ等との連携も可能。
なお同システムは、5月1日から6日まで東京アクアティクスセンターで開催される「FINA水泳飛込ワールドカップ(兼東京オリンピック最終選考会)」会場にて、選手及びスタッフの新型コロナ検査に活用される。
 これらの展示のほか、320列ADCT「Aquilion ONE/PRISM Edition」や超音波画像診断装置「Aplio i800」などの実機が展示され、ブースは連日、活況を呈していた。


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