MeWCAシンポジウム2015/マイナンバー制度実施がもたらす医療・福祉への効果を講演

 NPO法人医療福祉クラウド協会(MeWCA・ミューカ)は、5月19日に文京シビックホール(東京・文京区)で、「MeWCAシンポジウム2015」を開催した。
 MeWCAは、国民健康情報を安心・安全な環境で活用するナショナルクラウドを、国際標準に則り産学官連携の中立的な立場で開発、運用、実現に導く団体として活動している。
 今回のテーマは「マイナンバー元年―新しい社会基盤の登場に医療福祉は?」。プログラムは「基調講演」「医療・介護・健康分野における各省庁の取り組み」「MeWCA講演」の3セッションに分かれて行われた。
 各セッションの要旨はつぎの通り。
■第1セッション「基調講演」
 基調講演は、本多周一氏(NTTデータ経営研究所)が「マイナンバー制度と医療分野におけるマイナンバー制度の利活用」を演題に、本年10月から番号通知、来年1月に運用を開始するマイナンバー制度の概略を説明。その中で「この制度の基本的な性格は『行政事務のための基盤』ということだ。そしてその普及に伴い、医療等の分野への活用が期待されている」とし、医療分野での利用場面として、①医療保険のオンラインでの資格確認②保険者間の検診データの連携③予防接種の履歴管理④医療機関・介護事業者等の連携⑤本人への健康医療情報の提供・活用⑥健康・医療の研究分野を挙げた。
■第2セッション「医療・介護・健康分野における各省庁の取り組み」
 永山純弘(内閣官房)、田邊光男(総務省)、安藤英作(厚労省)、久保田裕子(経産省)の4氏が、マイナンバー制度・医療ICT・ヘルスケア分野での日本再興戦略について各省庁の取り組みを述べた。
 永山氏は「IT戦略の動向について」の中で、IT総合戦略本部の体制および同本部の地方創成に資するIT利活用促進プランの概要を説明。またマイナンバー等分科会での中間総括として、個人番号カードの普及・利活用の一例で病院で必要な健康保険証などへの一体化/一元化の方向性を述べた。
 田邊氏は「医療・介護・健康分野におけるICTの利活用について」の中で、超高齢社会である我が国の社会保障給付費、国民医療費との関連を解説。また総務省が取り組むスマートプラチナ社会実現への方策を示した。
 安藤氏は「医療等分野における番号制度の活用等について」の中で、マイナンバーの医療分野等での利用拡充として「特定健康診査情報の管理等での利用」や「地方公共団体間での予防接種履歴に関する情報連携」を挙げ、具体的な有用性を示した。
 久保田氏は「日本再興戦略におけるヘルスケアへの取り組み」をテーマに語った。その中で、経産省が目指す医療ICTの方向性として、「患者・国民本位のきめ細かいサービスの充実、社会保障分野の効率化、データの蓄積・分析を通じた、健康・医療・介護サービス全般の質の向上の実現が特に重要」とし、デジタル基盤の整備の必要性を強調した。
■第3セッション「MeWCA講演」
 木村大地氏(リンケージ)は日本の健康診断の歴史を踏まえ、官庁とタイアップしたデータヘルス計画の重要性を述べた。
 日諸恵利氏(みずほ情報総研)は、日本式医療の海外展開での次世代医療ICT基盤協議会の政策提言を踏まえ、海外に向けた医療パッケージの輸出の重要性を示した。
 土橋 朗氏(東京薬科大)は、地域薬局の可能性を、医師と薬剤師の共同薬物治療管理の視点から論じた。


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