富士フイルムグループ/NEVER STOP ONE FUJIFILMで、医療のいちばん近くから、次代を見つめる。

富士フイルムグループ/NEVER STOP ONE FUJIFILMで、医療のいちばん近くから、次代を見つめる。

https://fujifilm.com/fms/ 富士フイルムメディカル
https://www.fujifilm.com/fhc/ja 富士フイルムヘルスケア
https://www.fujifilm.com/ffms/ja 富士フイルム医療ソリューションズ

 富士フイルムメディカルと富士フイルムヘルスケア、富士フイルム医療ソリューションズは、富士フイルムグループとして共同での展示を行った。展示では、グループの強みを生かした各社同士のシナジー効果を生かした機器・システムの展示が行われた。
 また、富士フイルムグループでは、ブレストイメージング領域から産科・婦人科での検査、骨密度検査などの女性向け医療(Women‘s Health)領域に拡大し、今後はWomen’s Health向けソリューションを「INNOMUSE(イノミューズ)」のブランドに関する展示も併せて行われた。

<富士フイルムメディカル>
【新製品】デジタルマンモグラフィ「AMULET SOPHINITY」
 マンモグラフィについては、4月5日に発売したばかりのデジタルマンモグラフィシステム「AMULET」シリーズの最上位機種「AMULET SOPHINITY」を出展した。同装置は、AI技術を活用して新たに開発したプロジェクション機能「Positioning MAP」を搭載。圧迫板の上に圧迫に必要な数値と、撮影台上に過去の画像から抽出した乳頭位置とスキンラインを投影し、これに合わせて撮影することで、過去画像との比較読影しやすい画像を得ることができる。撮影台の形状も台を薄くし、撮影台下部に体の形状に合ったカーブ(Fit Curve)を設けて検査時の窮屈さを和らげたり、乳房圧迫時の痛み軽減を目指した圧迫自動減圧制御機能「Comfort Comp“なごむね”」を標準搭載することで、受診者に優しい検査を実現している。また、装置全体のコンパクト化にも力を入れており、従来装置ではジェネレーターと制御装置が分かれていたものを内蔵することで設置面積を従来装置と比べて20%削減でき、省スペース化も実現している。

【新製品】一般撮影装置「CALNEO Beyond」
X線撮影装置としては、本年4月に発売したばかりの一般撮影装置「CALNEO Beyond」をITEMでも展示した。この装置は、一般撮影室で透視検査も実現できることをコンセプトにした新製品。同社のX線静止画・動画双方に対応可能なFPD「CALNEO Flow」を使うことで立位撮影台、臥位撮影台のいずれでも透視撮影が可能である。一般撮影室は、非常に検査件数が多いのに対し、透視検査を行うX線TV室は、検査件数にバラつきが見られることが多い。そこで、複数あるX線TV室に「CALNEO Beyond」を設置することで、透視検査の運用に影響を与えることなく、一般撮影室での検査業務の効率化が実現できる。
 また、展示では臥位(ブッキー)撮影台の横に富士フイルムヘルスケアの骨密度測定装置「ALPHYS LF」を設置。一般撮影室内でも骨密度検査が可能であることを示し、1部屋で一般撮影、透視検査、骨密度検査を実現可能である省スペース性を強調していた。

●3次元画像解析システムボリュームアナライザー「SYNAPSE VINCENT」V6.8
 「SYNAPSE VINCENT」は、最新のV6.8を展示した。同ソフトウェアは、本来の3D画像の作成から、定量的な画像解析、AIを用いたデノイズ機能などの画像処理のサポート機能、COVID-19を診断するための肺結節検出機能など、トータルで70近い多彩な画像解析機能を搭載している。V6.8では、新たに追加実装された①骨盤内領域のMRI画像から直腸や周囲臓器、血管、神経の抽出を行い、その結果を3D表示する直腸解析、②MRIのマルチエコーで撮影した絶対値画像と位相画像から磁化率差を計算、画像化し、定量的磁化率マッピング(QSM)を作成するQSM解析、③撮像パラメータの異なる複数のMRI画像とシミュレータによる輝度値からフィッティングによって定量値マップを算出するQPM解析、④ASL画像とプロトン密度画像を基に脳血流マップと血液の到達時間マップを自動実行機能で生成するASLパフュージョンの4アプリケーションを紹介した。

「SYNAPSE VINCENT」V6.8の直腸解析画面

●AI搭載 読影ビューワ「SYNAPSE SAI viewer」V2.2
 AI技術による多彩な読影支援機能を搭載している読影ビューワ「SYNAPSE SAI viewer」。ITEM2023では、最新バージョンV2.2を出展した。同バージョンでは、読影のワークフローのサポートに主眼を置いた改良を実施。従来の肺野領域におけるサポート機能を、腹部や頭部領域に拡大。腹部領域では、肝臓の強調フィルタを用いて、より視覚化支援しているほか、レポートの作成まで支援している。肝臓CT画像について、抽出した所見について、スマート定型文という新機能により、ビューワ上で定型文を使用することができる。定型文では、解剖区域や大きさなどを定型文に自動で落とし込むことができるほか、部位の確認やキー画像の貼り付け、レポート作成までをビューワ上で簡単に行うことができ、読影者の負荷軽減を実現している。頭部領域でも信号値の強調フィルタリングにより、脳の解剖区域のラベリングについて、体積等より詳細なラベリングを実現し、臨床に役立つレベルまで性能が向上している。

「SYNAPSE SAI viewer」の肝臓CT画像における読影支援機能

<富士フイルムヘルスケア>
【新製品】超音波診断装置「ARIETTA 750 DeepInsight」
 富士フイルムヘルスケアは、昨年発売した超音波診断装置「ARIETTA 850 DeepInsight」「ARIETTA 650 DeepInsight」の新ラインアップとなる「ARIETTA 750 DeepInsight」を出展した。同装置は、4月11日に発売開始されたばかりのもので、他の2機種同様、AI技術を活用して開発したノイズ除去技術DeepInsight技術を搭載。同装置は、高性能ではあるものの予算的に「ARIETTA 850 DeepInsight」を購入できない医療機関向けに開発されたもので、基本的な画質については「ARIETTA 850 DeepInsight」に劣らない性能を有しており、一部使用できないアプリケーションがある程度で、同社の説明員は「大学病院様でも自信をもってご提案できる機種である」と述べた。

【新製品】1.5テスラMRI「ECHELON Synergy」
 MRIについては、3月27日に発売を開始したばかりの1.5テスラMRI「ECHELON Synergy」の実機を展示した。同MRIは、ボア径70㎝、天板上も65㎝と広い寝台を有する被検者に優しいワイドボア型のMRIである。
今回、頭頚部用コイルを新開発。従来コイルに比べ、一体型のコイルになっているのが特徴で、簡単なスライド操作でのセッティングが可能。頭部側のコイルと連動してクッションが付いた首側のコイルも動き、被検者の頭頸部にフィット。密着性が高く、安定した検査品質を実現する。実際の検査では、タッチパネルのスタートボタンを押すだけで寝台が装置内に移動し、磁場の中心で対象部位をスキャンできるように寝台の位置を自動的に調整する機能を装備。また、検査者が検査室から退出し扉を閉めると、自動的にスキャンを開始する。その後、位置決めから本撮像、解析やクリッピングなどの後処理、DICOM転送までを1クリックで行うことができる「AutoExam」機能と連動させることで、コンソール上で操作することなく検査を終了することが可能となっており、MRI検査を担当する診療放射線技師の業務負担を大幅に軽減することが可能となっている。

●マルチスライスCT「SCENARIA View Plus」
 CTでは、昨年に引き続き、マルチスライスCT「SCENARIA View Plus」を出展した。同CTには、ワークフローの改善を意識して被検者の位置決めを自動で行う機能を追加した。運用面でAIを活用し、ワンボタンで被検者の身体的特徴を認識し、高さ・奥行き・左右について自動で調整。検査者は位置決め後、コンソールで直ちに撮影を開始することができる。従来の位置決めでは、撮影位置の再現性を実現するために診療放射線技師が毎回ローカライザーを注視しながら時間をかけて位置決めを行っていたため、同機能は診療放射線技師の労働負荷を軽減するだけでなく、検査時間の短縮にも貢献するとしている。
 さらに、同CTでは、富士フイルムグループとしてのシナジー効果として、3次元画像解析システムボリュームアナライザー「SYNAPSE VINCENT」との連携機能をアピール。同CTで撮影後、画像を再構成しながら「VINCENT」に再構成画像のデータを送ることで、画像解析に取り掛かるまでの時間短縮を実現している。

●マルチスライスCT「Supria Optica」
CTについては、「SCENARIA View Plus」とともに、64列128スライスCT「Supria Optica」も展示。同装置は、2021年12月に発売以降、すでに100台以上を出荷したという人気製品。富士フイルムのAIブランド「REiLI」の様々な技術を搭載しており、画像処理機能IPVや検査効率向上技術SynergyDriveを搭載。低線量で高画質な撮影と検査時間の短縮を実現したCTシステムである。また、IPVと組み合わせることで最大12MHU相当(換算値)の性能が得られ、16列CTシステムと同等の2MHUのX線管装置、電源容量30kVAでの運用が可能となり、導入およびランニングコストを抑制することも高い評価を得ているという。

<富士フイルム医療ソリューションズ>
【新製品】放射線部門業務システム「RADISTA Workflow」
富士フイルム医療ソリューションズでは、最新の放射線部門業務システム「RADISTA Workflow」照射録、線量情報、医療機器管理情報、統計情報など、放射線部門の現場で様々な情報を管理する業務支援システム。Simple&Qualityをコンセプトに、視認性と操作性を高め、入力業務や確認に関する放射線部門スタッフの負担を軽減。展示では、IVRの予約管理や、メッセージ機能を端末から端末に送信し、Lineのように簡単なメッセージを迅速に送ることができる機能などが紹介され、放射線部門のワークフローの改善に貢献するシステムであることを強調した。

放射線部門業務システム「RADISTA Workflow」
 


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