HOSPEX Japan 2017

 病院/福祉設備・医療機器を展示紹介する『HOSPEX Japan 2017』が、11月20日(月)から22日(水)の3日間にわたり、東京ビッグサイト(東京都・江東区)にて開催された。今回は、東4~6ホールを会場にして、「建築・設備・エンジニアリング」「医療機器」「医療情報・ICT」「看護・介護製品」「感染対策」などのコーナーに分かれて、400社/650ブースで展示を行った。3日間を通じた来場者の合計は、21,453人(他展からの来場者を含む)だった。
 新たな集中展示企画として、ロボット、VR、AI、IoT等の最新技術を示した「次世代医療・福祉コーナー」を設け、介護支援・歩行支援ロボット体験も行われた。また、病院経営や医療連携などをテーマにした講演会や、「看護」「病院・福祉給食」「医療・福祉機器開発テクノロジー」「医療機器安全管理」などに分かれたセミナーを開催し、現在の医療・看護・福祉が直面する課題についてレクチャーが行われた。
 20日には、特別講演会「新しい医療が日本を立て直す~社会をよくする唯一の方法とは」と題して北原茂実氏(北原国際病院理事長)が講演。北原氏は、少子高齢化が進む日本社会が2030年にはどのような社会になっているのかを予測し、医療者もそれを支える現役世代も貧困化すると述べ、皆保険制度と決別する決断が必要と主張。日本と医療の進むべき道として、歴史と人口推移を軸としたメガトレンドの理解が日本復活の鍵であると述べた。さらに、北原氏が理事長を務める医療法人社団KNIのベトナムやラオスなど東南アジア各国で展開する事業を紹介した。
 同じく20日の特別シンポジウムは、「2025年に向けた医療の連携と課題~人、設備・機器、データの役割~」をテーマに行われ、松本謙一氏(サクラグローバルホールディング)が「リーダーは遊び心(Playful mind)を持て―それが「発想」を生む―」について講演。続いて河北博文氏(河北病院)が、「Smart Society」をテーマに講演し、現在計画が進行中の宅配・物流や遠隔診療などを1つのアプリで管理するICTシステムの概要と目的等について語った。同氏はその中で、「杉並では1986年に紙カルテを使用した連携の試みがあり、これは7診療所の間で終わったが今まさにそれが広範囲で可能な時代が来た」と述べた。
 また、22日には特別講演会「JCI認証取得と病院経営‐JCI取得は病院経営の改善につながるか」が行われた。講師は、小松本悟氏(足利赤十字病院院長)。足利赤十字病院は、2015年2月に医療施設の国際的な認証機関であるJCIの認証を取得した。小松本氏は、その取得に向けた取り組みと成果を紹介し、「医療経営の目標は付加価値の増大である。医療にはお金には表せない付加価値がある。認証取得後、医療の付加価値のさらなる増大を生むことができた。JCI取得は病院経営の改善につながると考えられる」と語った。
<EIZO>
 EIZOは、手術向けソリューション「CuratOR」を中心に、同社ブランドの手術・内視鏡用モニターを展示した。手術・内視鏡用3Dモニター「CuratOR EX2620-3D」は、発光効率の優れたLEDバックライトを搭載した液晶パネルを使用し、高輝度580 cd/㎡、高コントラスト比1400:1を実現。さらに、手術室の安全性、衛生面に配慮したフルフラットおよびファンレスによる静音デザインを採用している。更にオプティカルボンディングにより、空気層に光学弾性樹脂を流し込むことで表示面の物理的な強度を向上、モニターの耐久性を高めている。また、手術用31.1型4Kモニター「CuratOR EX3140」も展示。その“超”高精細な画像に、来場者の興味・関心が集まっていた。

<ケアコム>
 ケアコムは、病棟業務支援プラットフォーム「NICSS-EX8」を中心に、同プラットフォームとさまざまな機器・システムが連動した「トイレ離座検知システム」、「エリア検知呼出システム」、「ショートターム・マネージメントシステム」、「エアコンみまもりサービス」など事例紹介を交えて展示した。中でも、スマートフォンと連動してナースコールを0秒着信できる群馬大学医学部附属病院の事例や、スマートベッドシステムと連動してベッド上の患者の状態変化をナースコールで通知する佐久総合病院等の事例、患者の容体急変の兆候を24時間察知して、夜間でもアラートをスタッフステーションだけでなく看護スタッフの院内PHSにも飛ばすことができる奈良県立医科大学附属病院の事例などが注目を集めた。

<JVCケンウッド>
 JVCケンウッドは、4K UHD対応の手術室映像・情報ネットワークソリューションである「SMART OR ソリューション」をメインに展示した。同製品は、主にOR映像システムソリューションの販売施工を手がけるドイツRein Medical社のシステムと同社が長年培ってきた映像技術を生かしたカメラソリューション、映像記録・再生機器、高品位フルHD‐IP伝送システムを組み合わせることにより、医療機関が求めるさまざまな映像・情報ネットワークソリューションの提供を可能としている。手術室を再現したブース内では、前面をガラスコートしたウォールマウントモニターや時間や温度などを表示した情報ディスプレイ、ルーティング・エンコード・ストリーミング・アーカイブを一括管理するソフトウェアなどを分かりやすく紹介し、来訪者の関心を引いていた。

<岡村製作所>
 岡村製作所は、メインとなる正面のプレゼンテーションステージにメディカルコンソールパネル「サスティア)」を展示した。同製品は、サスティナビリティに対応するパネルシステムであり、医療ガスなどの設備配管と通信・電源系の配線などを、パネル内に収めている。しかも個別に脱着可能なパネルにより、メンテナンス性も向上。ファンクションレールにより、各種の医療機器やモニター類の取り付けが可能で、取り付け後も移動、移設が可能となっている。建築後の増改築や、用途変更にも対応可能である。そのほか、透析・化学療法ゾーンでは、人工透析や化学療法向け電動リクライニングチェアベッドの「イプシアEx」と「イプシアTre」を、病室ゾーンでは、部屋から部屋へリフトを付け替えることなく安全に移動できる天井走行式「ホスピタルリフト」の展示を行った。また、スタッフステーションゾーンでは、看護師が夜間の病室などで作業を行う際の安全を確保し、作業効率もアップさせる有機ELのやさしい光を使ったナースライト「ルナケア」を紹介した。

<セントラルユニ>
 セントラルユニは、“当たり前をあたりまえに、当たり前でないことも、あたりまえに”をテーマに、医療ガス供給システム「uniline」を展示した。同システムは、従来はガスの通過点に過ぎなかった医療ガス供給システムを「品質を届ける」システムへ進化させることを目標に掲げて開発され、①供給装置、②医療ガス監視・情報活用、アウトレット・医療機器で構成される。具体的には、①は治療用空気供給ユニット「CUBE Air」、②は医薬品である医療ガスの状態をわかりやすく見える化し、確認場所を選ばないモニタリングを実現する「医療ガス情報モニター」、③は縦型ウォールケアユニットなどを展示。また、電源ユニットなど壁面パネル等の変更が可能なモジュラー式のICUユニット(参考出展)も来場者の注目を集めていた。

<エア・ウォーター防災>
 エア・ウォーター防災は、ICUのプランニングや設計を司る提案を中心に8システムを展示した。特に来場者が関心を寄せていたのが、シアター仕様の天井によりICU治療時の快適性を支援する「ICUマルチ天井ユニット」(参考出展)。手術室・ICU設計の際、立体的な広さや距離感・動線を1/12スケールのレイアウト模型を使用して検証する「AMmodel」や、ICU・NICUの電気や医療ガスの供給源、ベッド周りで使用する各種製品・アクセサリを縦型のコラムユニットに集約した「エナジーコラム」も好評だった。その他、手術室やICU、CCUなど高い清潔度が要求されるエリアにおいて、独自のシンク形状により手洗い時に流し台からの水跳ねをシャットアウトすることで感染等を防ぐ手洗い流しユニット「スカーレス」を紹介した。

<パラマウントベッド>
 パラマウントベッドは、「スマートベッドシステム」を中心に展示した。さまざまな療養環境に合わせやすい洗練されたデザインに最先端の機能を搭載したデータ活用時代にも対応が可能な電動ベッド「Espaciaシリーズ」は、大型タッチパネルの「ベッドナビ」により、ベッドポジションの操作から利用者の離床を検知してスタッフステーションに通知する“離床CATCH”の操作・設定、“眠りSCAN”で測定したデータの閲覧ができる。また、膝を少し曲げて足先をさげた座位に近い起き上がり姿勢がとれる「カインドPLUSモーション」機構が搭載されている。その他、日本語表記の液晶タッチパネルや大容量の洗浄機能などの特徴をもつ「ベッドパン ウォッシャー BP-W300」、体圧分散、ずれ軽減、蒸れ軽減の特徴をもつ静止型体圧分散マットレス「Ever Proud」を紹介した。

<ピーエス>
 ピーエスは、医療施設、介護施設など常時クリーンな加湿が必要な施設に最適な「電熱式蒸気加湿器 SU」、自然な涼しさ、暖かさにすることが可能な冷暖房設備「放射冷暖房システム PS HRシリーズ」を中心に展示した。「電熱式蒸気加湿器 SU」は、ステンレスの蒸発槽内に装着された電熱ヒータによって水を加熱し、蒸気を発生させ加湿する。水に含まれた細菌などは放出しない仕組みとなっているため、クリーンな加湿が可能である。「放射冷暖房システム PS HRシリーズ」は、夏は10℃~20℃の冷水、冬は30℃~40℃の温水を24時間循環させ放射と自然対流で涼しさと暖かさをつくる仕組みとなっているため、自然にやわらかい室内気候をつくることができる。その他、エアハン・ダクト組込み型の「気化細霧式ハイブリッド加湿システム DL」も紹介した。

<タカラベルモント>
 タカラベルモントは、アイデアを凝らした診察台や手術台などの製品を展示した。椅子型診察台「Crea」は、通常は診察室の椅子だが、その場で診察台にもなり機能性を高めたものであり、椅子から診察台への移動による患者負担を軽減し、診察室の空間を有効に使用することができる。移動型内視鏡検査・処置用テーブル「Belflit」は、内視鏡検査・処置時において術者の足元を広く確保でき、電気メスなどのフットスイッチが配置しやすくなる。また、大型の4輪フリーキャスターの採用により、リカバリー室への移送がスムーズに行える。さらに、シート昇降範囲500~930mmのワイドストロークがあるため、患者は昇降時に踏み台が必要ない高さを、術者には施術に必要な高さを実現した。多目的汎用手術台「DR-8800」は、ベース部の上面をフラットに近い形状にし、テーブルトップスライドシリンダーを手術台の側面上方に設置したため、透視装置をスムーズに扱うことができる。

<イシダ>
 イシダは、外来患者案内システムを展示した。4.2インチの3色電子ペーパーパネルを使用したハンディな案内受信機「i-degiita+M」は、電子カルテシステムと連携して患者の次の予定を音と光およびバイブレーションで知らせる。患者は、じっと待合室で呼出を待つ必要がなく、長い待ち時間のストレスから解放され院内の自由な場所で過ごすことができる。省電力+急速充電により、継ぎ足し充電が不要であり精算機との連動により自動で回収することができる。また、院内の無線LANインフラも利用が可能で、再来受付→待合→予告→呼出→診察→会計とスムーズな流れが行える。日本語・英語・中国語・韓国語での多言語対応が可能。ブースでは、同機や再来受付機を展示してその便利さを示していた。


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