東芝メディカルシステムズ/Global Standard CT Symposium 2014

 東芝メディカルシステムズは、8月23日、ANAインターコンチネンタルホテル東京(東京・港区)で「Global Standard CT Symposium 2014」を開催した。  
 講演に先立ち、同社社長の瀧口登志夫氏が開会の挨拶を述べ、その中で「2013年11月に東芝CTの国内出荷が累計3万台を突破」したことを改めて報告した。続いてCT開発部の田中 敬氏が「Aquilion ONE ViSION Editionの開発」と題し、今年開発および開発中の最新技術であるFunctional Suites(Ver.7)と、Full Iterative Reconstruction(Full IR)の技術概要について語った。 その後開かれた講演会はテーマ別に2部に分かれ、計7人の演者が発表を行った。
■第1部講演「Technology of Area Detector CT」
 最新技術の臨床検証が3名の演者によって報告された。最初に立神史稔氏(広島大)が「Full Iterative Reconstruction:開発と臨床応用」を題目として講演を行った。同氏はFull IRを「真の意味での逐次近似法」と位置づけ、技術の長所として「低線量撮影でノイズとアーチファクトを飛躍的に低減させるのに有用な手法。また空間分解能の向上に加え、AIDR 3Dではなし得なかった低コントラスト領域での分解能も改善できる」ことを挙げた。  
 続いて村山和宏氏(藤田保健衛生大)が、Aquilion ONEの頭部アプリケーションの臨床応用について講演。同氏は検証結果のまとめとして「例えば金属アーチファクトを低減する最新技術であるSEMAR(Single energy metal artifact reduction)によりCTA等への応用が可能になれば、Anコイル塞栓後の評価の可能性が広がる。またDual energy CTで血腫と造影剤の鑑別が確立すれば、CTでもマルチパラメータが常用される時代が来るのではないか」と今後の期待を語った。  
 森谷浩史氏(大原綜合病院)は、「Aquilion ONEの胸部アプリケーションの臨床応用」と題して、呼吸動態撮影とその解析技術を中心に講演した。同氏は呼吸動態撮影について、ブタ摘出肺を使った呼吸動態C Tなどの研究結果を報告。また最新技術の1つである4D気管支トラッキングについて、「同技術や定点追跡技術は今後重要な呼吸動態解析ツールとなるものと思われる」と述べた。
■第2部講演「Clinical Benefit of Area Detector CT」
 部位別の臨床応用とその有用性を題材とした講演が行われた。吉川 武氏(神戸大)は、腹部CT Perfusionの最近の進歩と、SEMARの腹部領域での初期的検討について述べた。同氏は腹部CT Perfusionの特長として、「肝腫瘍、肝機能の評価に有用であり、肝腫周囲や門脈系全体の血流測定が、より正確な質的診断や肝機能評価につながる」ことを挙げた。  
 頭部領域に関しては、平井俊範氏(熊本大)が主に脳腫瘍への臨床応用の評価について講演した。脳腫瘍は、Aquilion ONEで完全に確立していない撮像分野であり、その検討結果を同氏は「1分程度のDynamic Volume scanにより、低被ばくで頭部の形態・機能情報が得られるため、脳腫瘍および脳血管障害の診断に有用と思われる」と報告した。  
 小林泰之氏(聖マリアンナ医科大)は、講演の冒頭で面検出器CTの利点を明らかにした上で、循環器領域におけるAquilion ONEの有用性について言及。同機で可能な循環器CT検査の例として、超低被ばく冠動脈CTAや大動脈ステントのリーク評価などを挙げ、「面検出器CTの特徴を活かした循環器領域の画像診断に今後も積極的に取り組みたい」と結んだ。  
 最後に吉岡邦浩氏(岩手医科大)が、「冠動脈サブトラクションの臨床応用」と題し、撮影法と画像処理法の解説を中心に初期使用経験についても述べた。その中で、最も重要な撮影時のポイントに心拍数を挙げ、「撮影心拍数60bpm以下が推奨されているが、可能な限り下げて撮影することが望ましい」と指摘した。


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