シーメンス・ジャパン/放射線治療用MRI装置

シーメンス・ジャパン/放射線治療用MRI装置

 シーメンス・ジャパンは、高精度放射線治療で求められる位置決定の精度向上、および効果判定に応えるMRI装置「MAGNETOM Combi Suite Radiation Therapy-RT pro Edition-」を発売した。
 同装置は、同社MRI装置の1.5T「MAGNETOM Aera」および3T「MAGNETOM Skyra」に、放射線治療用アクセサリーならびにアプリケーションを搭載し、高精度かつ高機能情報を得られるようになることにより、腫瘍伸展範囲の同定を的確に設定できる新たなスタイルを実現するものである。
<特長>
▽CT画像では正常組織と病変部の識別が難しい頭頸部や骨盤腫瘍に対し、同装置は多種多機能なMR画像をフュージョンすることにより、高精度な放射線治療が可能。これにより、正常臓器容積精度の向上や、危険臓器(OAR:organs at risk)への照射線量を低減することが可能となり、正常組織障害発生確率(NTCP:normal tissue Complication Probability)の低下が期待される
▽MRIは高い腫瘍活性度(tumor Activity)や細胞の充実性(Cellularity)を視覚化できるため、肉眼的腫瘍体積(GTV:gross tumor volume)の設定精度が向上し、同時追加照射による病変への高線量照射や治療期間の短縮が期待される。MR検査により早期治療効果判定を可能にすることで、追加照射の早期決定や化学療法の併用開始時期の決定にも貢献する
▽MAGNETOM AeraおよびMAGNETOM Skyraは、70cmのワイドボアデザインのため、放射線治療用固定具を付けたまま、高い感度域を有するTim4Gコイルシステム(48チャンネルRF受信システム)で広範囲に信号を受信することが可能で、頭頸部領域だけでなく上腹部領域や骨盤部領域へも応用することができる
▽CT画像と異なり、MR画像を放射線治療や効果判定に用いる場合、磁場による辺縁部のゆがみやポジションの再現性などが大きな問題であった。今回これらの問題を解決するため、RT Dotエンジンを開発。RT Dotエンジンは、専用シーケンスの開発および自動撮像化、三次元に対応した自動画像歪み補正機能、自動MPR再構成機能(多断面再構成技術)、外部レーザー中心撮像などを行うための独自のソリューションであり、複雑なMRの撮像などによる不安定要素を払拭。また、放射線治療用固定具の発熱基準に沿って、自動的に制御できる電波調整機能を装備することで、患者に優しい画像診断を実現
▽MR装置対応の外部レーザーポインターを装備するほか、放射線治療用固定具を装着した状態での頭頸部や体幹部のMR検査において、高密度受信コイルの使用を可能にしたことにより、体表面の正確なポジショニングが可能になる
※問い合わせ先=シーメンス・ジャパン コミュニケーション部ヘルスケアマーケティングコミュニケーショングループ TEL 03・3493・7630

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