日立製作所/超音波診断装置

日立製作所/超音波診断装置

 日立製作所は、超音波診断装置「ARIETTA(アリエッタ)」シリーズの最上位機種である「ALOKA ARIETTA 850(アロカ アリエッタ 850)を、4月13日から発売する。
 同製品は、2009年に同社が実用化した半導体探触子であるCMUT(Capacitive Micro‐machined Ultrasound Transducer)の機能を強化したほか、新たに開発した同社独自の超音波の送受信技術である「eFocusing」により、浅部から深部まで鮮明な画像を描出することができる。また、人間工学に基づいて設計したモニタアーム、ワークフローを改善する機能、肝がん治療をサポートする最新のアプリケーションの搭載など検査者の負担軽減や治療の質の向上に貢献するものである。
<特長>
▽半導体技術による乳腺用リニアのCMUT(オプション)を進化させ、さらなる広帯域化や高感度化を実現することにより、乳腺以外の領域の診断や血流を描出するドプラ表示、カラードプラ表示などのさまざまな表示モードに対応。これまで複数本のリニア探触子で行っていた検査も一本で対応することが可能。また、超音波の送受信を効率的に行うことができる単結晶の圧電セラミック素子による腹部用コンベックス探触子(オプション)を開発。従来の探触子に用いられる多結晶の圧電セラミック素子は、それぞれの結晶の方向が異なり、電気音響変換の方向がばらつくのに対し、単結晶の圧電セラミック素子は、単一方向で電気音響変換が行われるため、高い圧電効果を得ることができ、高感度の画像が得られる
▽浅部から深部まで、鮮明な画像が得られる超音波の送受信技術「eFocusing」を開発。身体内組織の深さに関係なく、全領域に焦点を合わせることができるため、浅部から深部まで鮮明な画像を得ることが可能。これにより、被検者の体格の違いによる画質低下や、検査者のフォーカス設定など人によって異なる検査時の依存性を改善。またeFocusingは、複数の送信ビームから得られる複数の受信ビームを合成して超音波画像を形成するため、受信信号とノイズの比であるSN比を向上させることで、従来機種に比べ高画質な画像描出を実現する
▽画像表示モニタに、22インチワイド有機ELモニタを同社製品で初めて採用。有機ELモニタは、素子が自発光であるため黒を明瞭に表現することができ、高コントラスト分解能の画像が得られる。画面上の白い部分と黒い部分のコントラストが、よりはっきりとすることで、診断をサポートする
▽長時間の検査でも検査者の負担が低減できるよう、人間工学に基づいて可動範囲を大きく設計したモニタアームや、操作パネルを採用。また、検査の手順や設定などを予め登録できるProtocol Assistant機能(オプション)により、ワークフローに合わせた無駄の少ない操作を実現する
▽超音波画像とCT画像やMRI画像を同期し、超音波診断装置のモニタに表示することで、超音波ガイド下の治療支援などを行うRVS(Radiofrequency Ablation)機能(オプション)に対応。また、このRVS機能を応用し、肝がんの治療法のひとつである経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)時に、複数電極(針)とがんの位置関係を3次元で把握できる3D Sim‐Navigator(オプション)も利用できる。さらに、今回、開発したE‐field Simulator(オプション)により、複数電極の配置から決定されるラジオ波による電気的物理量(電場)を、CT画像やMRI画像上に重畳表示することができるため、がんの形状に合わせた最適な穿刺ルートを推測することができる
※問い合わせ先=日立製作所 ヘルスケアビジネスユニット マーケティング本部 TEL 03・6284・3100

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