島津製作所/血液など生体サンプル中の標的成分の分析が可能な臨床向け「Nexera CL LCMS システム」発売(25.10.3)
島津製作所は10月3日に、「Nexera CL LCMS システム」を日本国内で発売。本システムは、血液や尿など生体サンプル中の標的成分の分析が可能な臨床用途の製品で、分離部である「化学的性質に基づき標的物質の分離が可能なクロマトグラフ(LC)」と、検出器である「質量に基づいて分離・検出する質量分析計、もしくは吸光度に基づいて検出するUV検出器」で構成されている。
本製品は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)におけるクラスI医療機器として、日本国内にて医療機器届出を完了済みである。
液体クロマトグラフ質量分析計(LCMS)は製薬、化学、食品、環境など幅広い分野の研究開発や品質管理に用いられている。近年、装置の進化に伴い、新生児マススクリーニングや血中の薬物動態モニタリングなど、臨床での利用が広がっている。一般的にLCMSでの分析は免疫測定法と比較して「より多くの成分の同時分析」「遜色ない感度」「抗体間の交差反応が起きないことによる精密分析」が特長であり、その特徴から臨床市場でもLCMSが使用されるようになった。
島津製作所は2015年に臨床用途向け「Nexera LC-MS/MS システム」と「Prominence LC-MS/MS システム」(クラスI 医療機器)を日本で発売し、同様のLC及びLCMSを米国や欧州で発売してきた。このたびの「Nexera CL LCMS システム」では、分離部を最新型の装置に置き換え、UV検出器には一部追加可能なユニットなどのラインアップを拡充して、より幅広い顧客ニーズに対応できる製品を発売する。
新製品の特長
1. 産業/研究用途向けにおける旗艦ブランドLCの分離部を基に開発
「Nexera CL LCMS システム」は、非医療機器として発売済みの産業/研究用途向けにおける旗艦ブランドLCの分離部を基に、血液など生体サンプル中の標的成分の分析を目的として開発した。産業/研究用途向けのLCであるNexeraシリーズは、2019年3月の発売以来グローバルなロングセラーとなっており、様々な分野やサンプルでの使用実績がある装置である。
2. メンテナンス性の継承
メンテナンス性の高さも従来機から継承した。ユーザーは、LCで分離したサンプルを質量分析計の真空部へ導入するDL(Desolvation Line)やESI キャピラリーを短時間で簡単に交換できる。これらは質量分析計を停止することなく、真空状態のまま交換できるので、分析のダウンタイムを最小限に留めることが可能である。
3. オプション製品ラインナップの拡大
幅広い分析ニーズに対応するため、脂溶性の高い成分分析に適したAPCI(大気圧化学イオン化法)と呼ばれるイオン化ユニット(別売り)を開発した。また、多検体分析ニーズに対応するため、プレートチェンジャーにも接続可能である。プレートチェンジャーは最大で1536検体を連続で分析できる。
■販売名:Nexera CL LCMS システム
■医療機器分類:一般医療機器(クラスI)、特定保守管理医療機器
■一般的名称:高速液体クロマトグラフィ分析装置 質量分析装置
■製造販売届出番号:26B1X00003901005
■希望販売価格:UV検出器システム:1,165万円~(税込) LCMSシステム:5,423万
円~(税込)(共にPC別。価格はシステム構成およびオプションによる)
■販売目標:6セット(2026年度)
■問い合わせ=
島津製作所 コーポレート・コミュニケーション部 広報グループ
西本恵 megumegu@shimadzu.co.jp