キヤノン/フォトンカウンティングCTの実現に向けて 米国ペンシルベニア大学のPenn Medicineと共同研究を開始(24.11.28)
キヤノン、キヤノンメディカルシステムズ、Canon Healthcare USA, Inc.は、米国ペンシルベニア大学系列の医療グループ「Penn Medicine」と、次世代のX線CTとして期待されるフォトンカウンティングCT(以下PCCT)の早期実現を目指し、共同研究を開始した。ペンシルベニア大学病院に、世界で4台目となるキヤノンの装置を設置し、臨床現場における研究を進める。特に胸部や心臓、筋骨格系などにおける画像診断の専門分野を中心テーマとして、PCCTの可能性を開拓する。
PCCTは、入射したX線のエネルギーを識別し、データ収集を可能とする次世代検出器(フォトンカウンティング検出器)を搭載した画像診断装置です。従来のX線CTに比べ、検出器に入射する個々のX線のエネルギーを測定して画像を得ることができるため、複数の物質構成を特定することができ、定量性に優れた画像を提供し、診断精度の大幅な向上が期待されている。さらに、高分解能化により、臓器の病変検出能が向上し、従来装置と比較して、被ばく線量低減も見込まれている。
キヤノンのPCCTは、テルル化亜鉛カドミウム(CZT)を使用した独自の検出器を採用している。テルル化カドミウムに亜鉛を加えることで、検出器のX線光子を捉える能力が高まり、線量効率が向上する。また、独自に開発したコンパクトな検出器回路は、X線を検出する面積を広げ、面積あたりの線量効率を最大化するように設計されている。さらに、キヤノンが長年培ってきた画像再構成技術を組み合わせることで、患者の体型や体格にかかわらず、PCCTの画質を最適化することが期待される。
問い合わせ=キヤノン 広報部
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