富士フイルムビジネスイノベーション/石巻赤十字病院が医療機器を一元管理する「IT Expert Services IoMTデバイスマネジメントサービス」導入(25.6.30)
富士フイルムビジネスイノベーション(本社:東京都港区)は、石巻赤十字病院(所在地:宮城県石巻市)に対し、院内のネットワークに接続されている医療機器(Internet of Medical Things : IoMT)を含むIT機器を一元的に可視化・管理できる「IT Expert Services IoMT(アイティー エキスパート サービシーズ アイオーエムティ)デバイスマネジメントサービス」を提供した。
本サービスは、ネットワークに接続された医療機器やPC、サーバーなどのIT機器を検知し、稼働状況やセキュリティーリスクを自動で把握できる。医療機関を狙ったサイバー攻撃が増加する中、限られた人員体制でも安全かつ効率的な機器管理を実現する。
背景
近年、IoMTの普及が急速に進む一方で、医療機関を標的としたサイバー攻撃が相次ぎ、診療システムが一時的に停止するなどの被害も報告されている。こうした状況を受け、厚生労働省は2023年に「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版」を発出し、医療機関に対しセキュリティー対策の強化を求めている。しかしながら、多くの医療機関では、IT人材の不足や部門ごとの機器管理の分散により、IoMTを含むIT機器の一元管理が行き届いておらず、セキュリティー対策が不十分となっている課題を抱えている。
課題と導入の決め手
石巻赤十字病院では、PCやサーバーに加え、超音波診断装置、心電図、内視鏡、画像端末などの多様な医療機器がネットワークに接続されているが、それらを人手で把握するには多くの工数がかかり、機器の全体像を十分に把握できていない課題があった。セキュリティーを強化しつつ、効率的な機器管理をするために、IoMTの可視化と一元管理を実現する仕組みを必要とされていた。
今回、石巻赤十字病院は「IT Expert Services IoMTデバイスマネジメントサービス」がネットワーク通信を自動で監視し、IoMTを含むIT機器のOSやファームウェアのバージョンといった詳細情報や脆弱性・リスクを可視化できる点、また、専門的なスキルがなくても直感的に操作可能なインターフェースを備え、容易に運用できる点を評価し、導入を決定した。
導入効果
本サービスの導入により、院内ネットワークに接続された数千台のIoMTを含むIT機器が自動で可視化されたことに加え、これまでネットワークに接続されながらも管理されていなかったIoMTも把握できるようになり、機器の一元的な管理・運用体制が構築された。
また、各機器のセキュリティーリスクは、OSやファームウェアのバージョン、既知の脆弱性情報(CVE)、通信の挙動など複数の要素をもとに「リスクスコア」として数値化される。これにより、リスクの高い機器を特定しやすくなり、たとえば機種名やソフトウェアの更新状況を把握したうえで、必要に応じてベンダーと対策を協議できるようになった。このように、具体的かつ優先度の高いセキュリティー対策を検討する情報基盤として活用されている。
さらに、本サービスでIoMTの稼働状況を可視化したことで、検査が集中している機器や使用頻度の低い機器が明らかになった。これらの情報は、機器更新や機器ごとの使用の偏りを見直す際の検討材料として活用されている。IoMTの稼働の最適化が進められることで、医師や看護師の働き方改革にもつながることも期待される。
石巻赤十字病院 情報マネジメント課長 千葉美洋氏のコメント
本サービスの導入により、院内のIT機器の情報が分かりやすく可視化されたことで、医療機器を扱う部門とも機器管理の連携が図れるようになりました。把握したリスクへの対処を通じ、より安全に機器を管理していく意識づけが部門を超えてできたことは大きな収穫です。今後も、病院全体でセキュリティー意識をさらに高め、より安全・安心な医療環境の実現を目指していきたいと考えています。
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