インテュイティブサージカル/第5世代“ダビンチ5”サージカルシステムを発売(25.6.20)
インテュイティブサージカルは、6月9日、東京トレーニングセンター(東京・ 江東区)において、新製品の説明会を開催した。
冒頭、社長の滝沢一浩氏は「今年は米国薬事承認から25年の節目となる。日本でも2009年に承認され、800台以上の導入実績があり、その有用性を示してきた」と述べ、「これまでの第4世代にあたる『ダビンチXi』による世界700万以上の症例を基に10年以上をかけて研究開発された最新モデルである『ダビンチ5』を7月から販売開始する」と発表した。
続いて、シニアマネージャーの小笠原晋吾氏が新機能を解説。「3次元の力覚情報を、より正確に術者のハンドコントローラへ伝えるForce Feedbackの採用に加え、改良された3Dビジョン、より高度な人間工学によって設計されたコンソールにより、制御範囲が拡大され術中の最適な視野を得られるようになった」。また、「術中の映像やデータを自動的に記録し、医師にも共有され、研究や教育、臨床技術の向上に役立つ」と加えた。システムの日本語表示も可能になる予定だという。
引き続き、米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンター腫瘍外科の生駒成彦氏が、「ヘルスケアシステムにおけるダビンチの役割と期待」を演題に講演。生駒氏は、最新の3D画像と自動排煙機能を高く評価。医師の立場でその利点を語った。「手術を一日複数回行っても疲れない。患者の術後回復も早く、治療費が高額な米国では経済的負担が軽くなる」。講演後に、3Dビジョンを覗き、時折インストゥルメント(鉗子)交換を指示しながら、見事なデモンストレーションを行った。
滝沢社長は、医師や看護師の労働軽減と病院経営の有益性を強調しながら、「既存のダビンチのサポートも継続する。日本の医療制度に則し、治療が最大の目的だ」として、新世代のダビンチ5をアピールした。