月刊新医療 トピックス

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日立・医療情報セミナー2010/経営戦略とデジタルクリニック構想を訴える

 日立メディコと日立メディカルコンピュータは、7月15日秋葉原ダイビル(東京・千代田区)で「医療情報セミナー2010」を開催した。第1部「医療IT化とデジタルクリニック」、第2部「新製品、新サービスのご案内」の2部構成で行われた。
 はじめに日立メディコ社長の三木一克氏が、つぎのように挨拶した。「日立グループは新たなインフラを考え、社会イノベーション事業として、①電力システム、②情報通信システム、③社会産業システム、④建設、⑤高機能材料の5分野で進めていく。わが社は、オンリーワンの製品の提供を目指す。新しいビジネスモデルの展開である『Digital Clinic』も、その1つの方向を示したものである」。
 日立メディコ国内営業本部メディカルIT営業本部本部長の加藤 一氏は、「診療所ビジネスへの新たな取り組み―デジタルクリニック」について、つぎのように述べた。「世界の医療機器市場は、高性能の上級機と低価格の普及機へと2極化している。その2極化に対応した具体的事業戦略の1つが『Digital Clinic』であり、日立メディコと日立メディカルコンピュータは連携し、製品面・営業面で本製品への取り組みの強化を図っていく」。
 「Digital Clinic」は日立メディカルコンピュータの電子カルテ「Hi‐SEED」と日立メディコの画像参照ビューア「NV‐Light」、超音波装置、X線装置を融合させたシステムで、クリニック内のシームレスなシステム連携によってワークフローの最適化が行えるとしている。
 第2部では、健康保険組合連合会理事の霜鳥一彦氏が、「医療IT化とデジタルクリニック」と題して特別講義を行った。霜鳥氏は政府が示した、雇用創出につながる「ライフイノベーションによる健康大国戦略」や情報通信機器戦略の具体的な取り組みを解説。医療IT化の効果的な役割として、①医療の質の向上、②医療業務の負担軽減、③医療の安全性・信頼性の向上、④患者中心の医療サービスを掲げた。

ALOKAフェア2010/最新の製品展示と学術講演会を盛況に催し、設立60周年を飾る

 アロカは、7月16、17日、東京国際フォーラム(東京・千代田区)で、「ALOKAフェア2010」を開催した。同イベントは隔年で開催されるもので、製品展示会および学術講演で構成され、今回23回目となる。初日の朝、テープカットに続き代表取締役社長の吉住 実氏が基調講演を行い、つぎのように述べた。
 「創立60周年を迎えたが、変わらないものは、技術革新に果敢に取り組み、見えないものを見えるようにして人々と社会に安心と安全を提供してきたことだ。社会に貢献するためにも100年企業を目指すが、その礎の第1弾となる2010年度中期計画作成で重視したのは、世界経済の変化とニーズの多様化に対応した体制の構築だ。今まで製品開発を国内および欧米向けに行ってきたが、中国・インドを中心とした発展途上国向けも進める。製品別の方向性として、超音波診断装置は前述した地域別ニーズの対応に加え、年齢や体型など患者依存性の低減、簡便性および汎用性の拡大を図る。またアジアの使用拡大を考慮して、遠隔医療、プライマリーヘルスケアに対応する技術開発を進める」。
 また、検体検査装置、放射線関連装置の方向性にも触れた後、つぎのように続けた。「アロカは、予知、予測、予防のプロフェッショナル集団を目指すが、今後の計画として消耗品市場への進出がある。具体的には試薬市場への参入であり、大きな事業の柱にしたい。この新事業も含め、切り口になるのがセンサー技術であり、研究開発を強化していく」
 基調講演冒頭で、同日発売の3新製品、汎用超音波診断装置「プロサウンドF75」、低バックグラウンド液体シンチレーションシステム「AccuFLEX LSC」、水剤調剤支援装置「PharmaFLEX S901」の発表が行われた。「プロサウンドF75」は、モニタと操作パネルの可能範囲を大きくとり、検査者の負担を低減させていること等が大きな特長となっている。
 製品展示会場は、超音波診断装置などの「医用電子装置」、各種検体検査装置などの「医用分析装置」、放射線管理システムやバイオ関連製品などの「汎用分析装置」が3ブロックに分かれ、展示された。
 17日に行われた「超音波診断装置50周年シンポジウム―3大疾病の診断・治療」では、4名が講演した。演者と講演内容は次のとおり。橋本秀行氏(ちば県民保健予防財団)「乳房超音波検査の進め方と診断のコツ」/松尾 汎氏(松尾クリニック)「脳血管障害などの全身血管病を診る」/竹中 克氏(東大)「息切れ患者さんが来たら、心不全の診断は」/斎藤明子氏(東京女子医大)「肝癌、どう検査してどう治療したか」

国際モダンホスピタルショウ2010/地域連携とネットワークに注目が集まる

 日本経営協会と日本病院会が主催する「国際モダンホスピタルショウ2010」が、7月14~16日の3日間、東京ビッグサイト(東京・有明)で開催され、3日間で昨年を上回る7万9150人の来場者を集めた。8月号に続き、展示会やカンファレンスの模様を詳報する。
■展示ゾーン/地域連携に関する出展が増加
 医療情報システム関連の展示では、電子カルテやPACS等の展示に加え、地域医療連携を見据えた新しいソリューション等が多くなり、かつ注目が集まった。
 出展者が行うプレゼンテーションでは、千葉大学医療情報部教授の高林克日己氏が「安心・安全の医療サービスを支える地域医療連携とITの活用」と題した講演を行い、「地域医療連携は単純な連絡機能だけではコストパフォーマンスに疑問がある。地域医療崩壊を救うための手段と捉えるべきだ」と述べた後、計画中の「ITネット千葉」を解説。その特徴として「異種の電子カルテ間での連携が目的であり、相互運用性を求めるものではない。サマリーと紹介状が基本となる」と説明した。
 また、主催者企画展示「輝かそう!チーム医療・地域医療ネットワークの未来」では日本各地で取り組みが進んでいる、ITを活用した地域医療ネットワークの現状を紹介。長崎地域医療連携ネットワーク「あじさいネットワーク」をはじめ、岩手県遠野市の周産期連携システム、横浜市大市民総合医療センターの「E‐leaningシステム」など、地域医療連携の事例と効果を示したパネル展示が行われた。
■カンファレンス プログラム/ITフォーラムなどが盛況
 カンファレンス プログラムは、クリニックでの地域医療サービスを解説したスペシャルセッション、チーム医療の実践を示したシンポジウム、病院の情報戦略を提示したITフォーラム等で構成。著名な演者の講演に多数の来場者が集まった。
 ITフォーラムでは、15日に「電子カルテシステムを活用した病院原価管理」が行われ、旭川赤十字病院副院長の牧野憲一氏と、山形市立済生館呼吸器内科長兼医事経営課の岩渕勝好氏が電子カルテデータを利用した病院経営改善の試みを紹介した。
 16日の「医療IT化のゆくえと病院の情報戦略」では、国立成育医療研究センターの山野辺裕二氏が「病院IT化のすべて」と題し病院のIT化の現状と新技術への対応を語り、クラウド・コンピューティングの医療現場導入に際する注意点を述べた。
 帝京大の澤 智博氏は「医療情報システム刷新の要諦―ヘルシーコミュニティーに向けて」と題し、日本の病院のIT化の現状と持続可能なヘルスケアシステムを目指した帝京大学医学部附属病院での取り組みについて語った。
 同じく16日に行われた「電子カルテシステム更新への課題と実践」では、千葉大の鈴木隆弘氏、長崎医療センターの木村博典氏、愛媛大の木村映善氏の3名が、自院での電子カルテシステム更新の経験から注意すべき点を説明した。

日本中性子捕捉療法学会学術大会/BNCTの新たな可能性を議論する

 日本中性子捕捉療法学会は、8月5日・6日に学習院大学(東京・豊島区)で、第7回学術大会を開催した。大会長は中村浩之氏(学習院大)。プログラムは、特別講演が2題、教育講演、ランチョンセミナーと、化学・薬学、物理学、医学などに分類された計42題の一般演題。
 小野公二氏(京大原子炉実験所)はランチョンセミナー「加速器BNCTが拓くがん放射線治療の新たなる地平」で、「21世紀のがん放射線治療の新しいパラダイムは『がん放射線治療の成否は、がん細胞への放射線の集中の程度によって決まる。十分な集中が達成できれば、制御できないがんはない』であり、これを実証しようというのがホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy:BNCT)の研究である」と語った。
 成相 直氏(東京医科歯科大)は特別講演「ホウ素中性子捕捉療法とPET」で、「脳外科医としての経験からいえば、悪性脳腫瘍に適切な治療を行うためにはPETによる代謝情報が不可欠である」と述べ、BNCTに際して行うPETスクリーニングで使用する新しい診断薬剤18FBPAは、集積が極めて腫瘍特異的であり、11Cメチオニンと比較すると、正常組織への取り込みが少ないことなどから、将来的にはBNCTだけでなく全身のスクリーニングに用いられる可能性もあることを指摘した。

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