

北海道がんセンター院長
がん医療の専門医として長く治療に携わってきた筆者は、その問題点を鋭く指摘し警鐘を鳴らし続けてきました。
本書は「がん医療と放射線治療」(小社刊)を基に、筆者による講演と論文をあらたに加えて再構成したものです。
2人に1人は治る「がんの時代」 / がん医療の格差 / 「市民のためのがん治療の会」が目指すもの / 顕在化した医療崩壊は社会崩壊の一部 / 放射線治療に対する期待と現実 / 放射線治療の進歩をどう使うか / 放射線治療の光と影 / 知っておきたい抗がん剤の知識 / 腫瘍内科学の限界と問題点 / 医療経済と医療の質 / 低医療費政策の行く末 / セカンドオピニオン再考 / 問われる死生観 / 4次元の世界に生きるバランス感覚 / しっかりした死生観を持ち、自らの治療選択を
放射線治療の利用度 / 臨床的有用性 / 放射線治療の経済的側面 / 現状のがん診療の問題点―QOLとQOT / 有用性を考える基軸とは / QOLを重視し、全人的医療を
科学と技術はさらに進歩する / 日本の放射線治療の現状 / 医療を取り巻く近況と放射線治療の今後 / 要素還元から統合へ
医学部に見る放射線教育の歪み / 医学物理士の雇用を法制化せよ / 放射線治療とEBM / 市民向けサービスと活動 / EBMとNBMで発展する放射線治療
日本の医療費、医療供給体制の国際比較 / がんという疾患の説明と、がんの進行度 / 最近のがんの診断と治療法の進歩
放射線の基礎知識 / 放射線感受性と副作用 / 放射線照射技術の進歩
いろいろな部位のがんの放射線治療(各論) / これからのがん医療の問題 / 市民と専門医の「マッチング」が大切
行政の真剣さが疑われる「がん対策推進基本計画」の内容と課題 / パラダイムシフトが起こりつつある放射線治療の進歩と標準的治療 / 極めて貧困な状態にある「がん診療連携拠点病院」の放射線治療体制 / 患者・市民への期待と要望―がん医療の追い風となる患者・市民の活動 / 患者・市民とともに改善したい、バランスのよい放射線治療の供給
日本のがん医療の特徴と放射線治療 / 放射線治療に対する市民側の動き / がん治療専門医の育成に向けた提言 / 放射線治療の対象となる症例は急増
医療のあり方に生じた揺らぎ / 「がんと闘うな」論への感想と問題点 / がん医療の原則は早期発見・早期治療 / 「がんもどき」理論について / 治療方法(論)そのものに内在する揺らぎ発生の原因 / 医学の技術のはざまで生じる揺らぎの現実 / 医学界の体質と医学教育の問題 / 未熟なインフォームド・コンセントの問題 / 患者よ、がんと賢く闘え
曲がり角にさしかかった日本医療の行方 / 日本医療の経済的側面 / 医療・介護・健康産業の利益の配分 / 高齢社会と放射線治療 / 患者の位置付けと医学研究の方法 / 医療の質と放射線治療 / QOLの評価法 / 医療情報は誰のものか / 専門性を確保できる医療制度の確立 / 宗教や歴史的民族性まで包含した医療を