2002年度 月刊新医療7月号論文サマリー(和文)


国立成育医療センターでの電子カルテ構築

大原 信

国立成育医療センター医療情報室

本年3月1日に開院した国立成育医療センターの情報システム構築は、約3年半のプロジェクトであった。「電子カルテ・フィルムレス」の情報システム構築においては、理念と目的を明確化し、手段の目的化を避けることが重要であり、新病院建設は絶好の機会であった。

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東京臨海病院における病院総合情報システムの構築

1桑鶴良平 2小屋二六

1東京臨海病院放射線科 2同病院長

東京臨海病院における病院総合情報システムの構築の経験を述べた。当院の開院準備期間は実質1年間と比較的短く、準備に関わった人数も少なかったが、その1年間に行った準備を、特に病院総合情報システムの面からほぼ経時的に重要な点を中心に報告した。開院後もシステムの改善は続けており、それについては今後報告予定である。

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電子カルテによる医療連携

井川澄人

医療法人医誠会城東中央病院院長

2000年4月に電子カルテが稼働し、既に2年が過ぎた。この間統合型システムとして成長し、職員の業務改革・効率化はもちろん、患者満足度も向上してきた。医療の質の確保を念頭において、地域における電子カルテシステムを活用したインターネット利用型医療連携システムも02年2月稼働した。今後のIT活用の医療改革の進むべき道を探りたい。

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富岡総合病院での電子カルテの運用

柴山勝太郎

公立富岡総合病院院長

当院は一般355床の総合病院である。2002年4月1日に紙カルテを廃止し、入院・外来とも全面的に電子カルテに移行した。システム構成は、NECのPC―ORDERING―2000とMEGA―OAK―NEMRおよびNURSING の組み合わせである。画像はDICOMで接続した参照画像を活用し、デジタル化していない情報はスキャナで取り込んでいる。電子カルテに移行後1カ月が経過したが、目立った混乱もなく診療業務が行われている。今後は、現場の経験を踏まえたシステムの開発が望まれる。

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北海道循環器病院での電子カルテ運用の現況

鍛冶 徹

北海道循環器病院循環器科

北海道循環器病院は2000年4月より電子カルテを導入した。事務処理の効率化のみならず、院内での診療情報共有化と患者との信頼関係を構築する上で、電子カルテは有用な診療手段である。

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医療におけるバーコードシステムの現状と可能性

谷 重喜

浜松医科大学附属病院助教授・医療情報部副部長

バーコードシステムは高速性や精確度の高さから、あらゆる分野において業務効率の向上に役立っている。このバーコードは、医療分野においても検体検査、薬剤管理、フイルム管理などに利用されて効率が発揮されてきた。さらに材料管理や院内物流の効率化や標準化を目指したEAN−128などのバーコードシンボル規格の登場により、ますます期待されているシステムである。

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乳房超音波技術の現状と将来

植野 映

筑波大学臨床医学系乳腺甲状腺内分泌外科

フルディジタル技術により画像のプロセッシングが高速度に行われるようになり、様々な超音波画像技術が発展した。近距離音場の焦点が改善され、音響カプラーの必要性はなくなるとともに空間分解能、コントラスト分解能ともに改善された。さらにはハーモニクス、符号化等により更に画像の改良に期待がかかっている。

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児童虐待について

亀口憲治

東京大学大学院教育学研究科教授

急増しつつある児童虐待の心理学的背景について述べた。最近の家族心理学的研究をもとに、その定義や種類を明示した。また、被虐待児の心理的特徴や虐待する親の心理的メカニズムを明らかにし、関係機関との連携についても言及した。

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