2002年度 月刊新医療5月号論文サマリー(和文)


膵臓・胆道疾患診断におけるTissue harmonic imaging法とVirtual endoscopy

1廣岡芳樹

1後藤秀実 2伊藤彰浩 2橋本千樹 2丹羽克司 2石川英樹 2岡田直人 1,2早川哲夫


1名古屋大学光学部医療診療部 2同大大学院病態修復内科学

ティッシュハーモニックイメージング法は、超音波検査の各種アーチファクトを取り除くことで、またティッシュハーモニックイメージング法を原画として使用したVirtual endoscopyは、疾患を3次元的にとらえることで胆膵疾患の診断に寄与する。

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FDG-PETの保険適用とPETのこれから

堀口祐爾

今井英夫 刑部恵介


藤田保健衛生大学消化器内科

消化器疾患中でも肝・胆・膵の腫瘍性疾患の超音波診断においてはカラードプラ法が不可欠であることはいうまでもないが、造影エコー時代に突入してその意義や位置付けは今後かなり変わってくるものと思われる。

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循環器診察法の変遷

竹中 克


東京大学医学部附属病院検査部

ポータブル心エコー装置は極めて有用で、近い将来さらなるダウンサイジングが進めば、循環器診察法の変革をもたらす。

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心コントラストエコー法とハーモニックイメージング

1秋山真樹 2吉田 清


1川崎医科大学大学院医学研究科 2同大病院内科学教授(循環器内科学)

コントラストエコー法とは、超音波造影剤を使用して血流情報を得るエコー法である。今から35年前、生理食塩水やインドシアニングリーンを心腔内に注入し経胸壁心エコーにて観察すると、雲状ないし小粒状エコーが出現することが発見され、研究が始まった。以後、超音波造影剤の開発、超音波診断装置の改良があいまって、現在では心筋の血液灌流状態を評価できるまでになった。本稿では循環器領域のコントラストエコー法の35年間の発展について述べる。

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消化器領域における3次元超音波の有用性

1橋本千樹

1,2後藤秀実 1丹羽康正 1,2廣岡芳樹 1伊藤彰浩 1丹羽克司 1岡田直人 1石川英樹 1伊東輝明 1,2早川哲夫

1名古屋大学第2内科 2同光学部医療診療部

3次元体外式超音波によるvirtual endoscopy(US-VE)の消化器領域における有用性について述べた。US-VEを作成することにより、2次元の超音波断層像と比較し、病変の立体的形態、表面状などが把握しやすくなり、客観的で説得力のある画像が得られた。3次元体外式超音波は将来、消化器領域における超音波診断能の向上に寄与するようになると期待する。

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肝腫瘍における造影超音波の有用性

1熊田 卓

1桐山勢生 1曽根康博 1谷川 誠 1久永康宏 1北畠秀介 1長谷川太作 2小川定信 2日比敏男 2後藤繁優 2丹羽文彦 2竹島賢治 2川地俊明 2市川秀男

1大垣市民病院消化器科 2同診療検査科形態診断室

肝腫瘍診断における超音波造影剤の有用性について述べた。造影超音波は時間分解能に優れ、肝腫瘍の質的診断には優れるが全体像の把握は困難であった。しかし次世代の超音波造影剤の出現により、より応用範囲が広がるものと期待される。

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体表領域でのCADの現状

久保田光博


山近記念総合病院外科

近年開発の進んでいる長澤ソフトを含む乳腺超音波CADプログラムは、今後需要の高い乳癌超音波検診における精度管理とマンパワーの補完、また診断基準改訂における客観的根拠付けなどに有用性が期待される。

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超音波検診の現状と将来

三原修一


日本赤十字社熊本健康管理センター

超音波検診は、腹部臓器のスクリーニング検査として有用であり、従来の検診では発見できなかった肝胆膵腎癌などの早期発見に有用である。また、脂肪肝、胆石、腎結石などの良性疾患も高頻度に発見され、癌検診のみでなく、癌以外の生活習慣病健診としても有用である。さらに、対象臓器を下腹部まで拡大することによって、早期膀胱癌をはじめ、下腹部臓器の癌も数多く発見されるようになった。現在は、超音波乳癌検診も行っている。

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超音波診断ロボットによる遠隔超音波診断システムの開発

桝田晃司


愛媛大学医学部

本研究では、探触子を持つ検査者の手首に相当する回転運動と、腕の動きに相当する平行移動を同時に実現する超音波診断ロボットを開発し、ロボットの各機構部をネットワークによって遠隔操作することによる超音波遠隔診断システムを提案している。

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重症冠動脈疾患に対する血管新生遺伝子治療と心臓核医学の貢献

石田良雄


国立循環器病センター放射線診療部

血管内皮増殖因子(VEGF )の遺伝子導入による血管新生治療の臨床試験が米国において重症冠動脈疾患を対象に実施され、その成績が報告されている。本稿ではその治療評価に活用された心臓核医学検査の意義に注目する。

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痴呆診断と核医学

加藤隆司 伊藤健吾


国立中部病院長寿医療研究センター 生体機能研究部

痴呆診療における脳核医学検査は、有用性と臨床の現場での実際性を兼ね備えた有力な検査法である。痴呆疾患の診断基準に含まれないなど、現状での役割は限定的である。画像統計の手法の導入や治療との組み合わせなどにより、不可欠の検査となることが期待される。

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肺癌診断と核医学

本田憲業

町田喜久雄 細野 眞 高橋健夫 鹿島田明夫


埼玉医科大学総合医療センター放射線科

肺癌は、我が国の主要な死亡原因の1つで、臨床的に重要である。核医学は肺癌診療の全領域―診断、治療、経過観察―で利用できる。病変の良悪性診断と病期診断、抗癌剤に対する反応の予測、再発診断に有用である。

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救急心疾患と核医学検査

中嶋憲一

滝 淳一 利波紀久


金沢大学医学部附属病院核医学診療科(バイオトレーサ診療学)

救急における虚血性心疾患では心筋血流低下の有無と心機能を的確に判断することが求められ、心拍同期心筋血流SPECT は診断、治療方針や予後評価に重要な情報を提供する。障害心筋、代謝、交感神経のイメージングもリスク評価や生存性評価に用いられる。

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PET薬剤の現状と課題―FDGに続く製剤


井上登美夫


横浜市立大学医学部放射線医学教室

FDG は現在最も広く臨床応用されてきているPET 製剤である。特に癌の診断に有用であるが、炎症病巣への擬陽性などの臨床上の限界もある。現在FDG の次のPET 製剤としてどのような薬剤の臨床研究や開発が行われているかを紹介する。

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PETセンター設立の構想

岩崎 康


メディカルITコンサルティング

大阪の都心部に、一般人が迅速かつ容易にPET 検査を受けられる施設を建設中である。健康診断、癌の術前精査や術後再発のチェックなどを行い、一部に遠隔画像診断も取り入れ質の高い診断施設を目指したい。

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消化管のMDCTと3次元画像

白神伸之 甲田英一


国家公務員共済組合連合立川病院放射線科

消化管疾患について、MDCTでの診断は2次元的、3次元的に大きな進歩を遂げた。より細かな病変を軸位像ばかりでなく3次元的にも評価可能となり、新たな診断のmodality となるであろう。

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